第2話

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2024/12/25 07:40 更新
ずり…ずり……
何か這うような音。
この形態になって走り続け30分弱が経過した。
当然警戒を怠らずに。
ただ平衡感覚が少しづつなくなっていく。
悪魔の姿になると五感が恐ろしく敏感になる。
ラック
ラック
……ここの木から28m先…

致命傷を与え、分解される前に工場に再び戻す。
これが私の今やるべき事だ。
気を引かせて一気に仕留める。
殺してはいけない。絶対に。
殺したら自分も殺されるどころか、上の階級の奴らも被害に遭う。それだけはダメだ。
ドオオン…!!
すぐそこにあった一番大きな木を鉤爪で切り裂く。
…予想通り、ハスターが寄ってくる。
気配を殺して殺気も無くす。
ハスターは、歩くとぬるぬるとした液が出る。
痕跡。証拠。
失敗すれば終わり。
気合を込めて、仕掛けた。
ヒグレ
ヒグレ
ハスターの逃走ね…もし地下にいるなら、他の兵器達も逃げるよ?
アンネ
アンネ
そんなんとうにわかっとる、だから見回りついでに兵器の檻に鍵をかけ職員を逃がす
ヒグレ
ヒグレ
で、怖くなったんだ
アンネ
アンネ
アホか
アンネ
アンネ
一等兵達に一人は危ないっちゅーから仕方なくあんたを呼んだだけや勘違いすんな
ヒグレ
ヒグレ
上司に向ける態度じゃないな~ア・ン・ネ・くん?
アンネ
アンネ
僕だってあんたの性格がもっと良かったら敬意表してたわ
ヒグレ
ヒグレ
アンネも中々だと思うけどね?ラックにはずっと隠してるし
アンネ
アンネ
喧しいわ
ヒグレ
ヒグレ
逆によく何年も隠せたね
アンネ
アンネ
自分で言うのもなんやけど、演技には自信あるから
ヒグレ
ヒグレ
ラックに言おうかな
アンネ
アンネ
やめろ
ドオオン…
ヒグレ
ヒグレ
なんの音!?
アンネ
アンネ
爆発音みたいな音やな…
ヒグレ
ヒグレ
一旦上がるぞ!
結果から言って、成功だ。
奇襲は成功した。
なのに、何故か形勢逆転だ。
悪魔形態の状態はただえさえ体力を消費して疲れるのに、出血・打撲に加え骨折までしてるとなれば、時間の問題だ。
ハスターは私達…いや、上全体が想定していた強さよりはるかに強かった。
私一人で良かった。
死ぬなら誰も巻き込みたくない。
ハスターは私と同じ、時間が問題だ。
遠くなる意識の中、聞き慣れた声が聞こえてきた。
幻聴だろうか。
「_____ラック!!!!!!」
旧政府警備特殊部隊第9グループ
本部 医務室
ヴァリス
ヴァリス
…あ、気づいた~?
ヨヒラ
ヨヒラ
…ラック、ここがどこか分かるか
ラック
ラック
…医務、室ですか……?
ヨヒラ
ヨヒラ
何故自分がここにいるのかわかるか?
ラック
ラック
……怪我して、るから…?
ヴァリス
ヴァリス
ちょっと記憶が曖昧だね~
ラック
ラック
……?
ヨヒラ
ヨヒラ
幼馴染がお怒りだぞ
ラック
ラック
…!?
アンだけは怒らせないようにしていたのに。
コンコン
「アンネ・クラーテです、入ってもよろしいでしょうか」
ラック
ラック
…寝てるってことにしてください……
ヴァリス
ヴァリス
ふふっ
ヨヒラ
ヨヒラ
ああ、入っていいぞ
アンネ
アンネ
失礼します
…思ったより冷静…じゃない、黒いオーラが見える。
ヨヒラ
ヨヒラ
ラックはさっき起きたぞ
!?!?!?
ヴァリス
ヴァリス
またすぐ寝ちゃったけどね~
アンネ
アンネ
そうですか…はは、起きとる時に会いたかったなぁ
ヴァリス
ヴァリス
…怒ってる?
アンネ
アンネ
はい、それはもう
ヨヒラ
ヨヒラ
たしかに、目は笑ってないな
ヴァリス
ヴァリス
じゃあ次ラック君起きた時連絡するよ!
ヴァリスさん?
ヨヒラ
ヨヒラ
そうだな、私もずっと入れる訳じゃないから連絡くれると助かる
アンネ
アンネ
それええな…じゃあお願いします!
ヨヒラ大佐?
アンはともかく裏切られた気分。
アンネ
アンネ
そんじゃあ、僕工場におるんで何かあれば連絡お願いします!
ヨヒラ
ヨヒラ
そういえば生物兵器NO.14はどうなった?
ヴァリス
ヴァリス
あ、たしかに!どうなったの?
アンネ
アンネ
ふふ、ラックがちゃんと致命傷与えとったんで今はもう第4に戻されとります!
アンネ
アンネ
…ただ、想定外だったのがハスター自身の力でした
見誤った結果が搬送やから
ヴァリス
ヴァリス
そうだねぇ…でもしょうがないよ、しかもラック君ちゃんとやることやってるんだしさ…
ヨヒラ
ヨヒラ
本当にすまない…もっと警戒するべきだった
アンネ
アンネ
今回の件は誰も悪くないですよ
なのでお二人はお気になさらず…
ヨヒラ
ヨヒラ
それを言うならアンネもラックもだからな
アンネ
アンネ
…失礼します
ヴァリス
ヴァリス
…アンネ君、変な罪悪感もってそうだね
ヨヒラ
ヨヒラ
今回は私や上層部が悪かった
ヴァリス
ヴァリス
だから、あんたたちも悪くないでしょ
生物兵器の強さなんて誰にも予測できない
予測できたとしてもそれが合っているとは限らないんだからね
ヨヒラ
ヨヒラ
………そうか
ヴァリス
ヴァリス
そう、だからヨヒラ君達は罪悪感とかそういうの無くていい!私が保証するから
ヨヒラ
ヨヒラ
…ありがとうヴァリス
いやこれ多分私が弱いのが原因だな…
悪魔形態の特訓より実践訓練をしっかりしておけばよかった。
ヨヒラ
ヨヒラ
あ、ラックもう起きていいぞ
ヴァリス
ヴァリス
忘れてた
ラック
ラック
………酷くないですか??
ヴァリス
ヴァリス
ごめんね~じゃあ連絡するね
ヨヒラ
ヨヒラ
もう一回寝るなんて言わせないからな
しっかり怒られてこい
ラック
ラック
え……う”…
**
アンネ
アンネ
ッッラックッッッ!!!!!!!!
ラック
ラック
あ、アン……
ちなみにヴァリスさんとヨヒラ大佐は不在だ。
「二人の空間を邪魔しちゃ悪いから」とのこと。
どういうこと?
アンネ
アンネ
無理すんな言うたよな?
周り頼れ言うたよな??
人より自分の心配しろ言うたよな???
アンネ
アンネ
一つもできとらんやん、僕より立場上のくせになんでそんなこともできんの??
アンネ
アンネ
それにこれでもう4度目や
いつになったら学ぶん?なぁ?
ちっさいガキでもできるわそんなこと
なんで大の大人のあんたができひんの?恥ずかしくないん?
周りを頼れないと自滅するのは目に見えとるやん?
ラック
ラック
…ご最も…です……
つ、次は絶対こんなことしないから…ごめんなさい……
アンネ
アンネ
あかんそれ、信用出来へんわ
アンネ
アンネ
今日、今この瞬間から一年半、兵器共が逃げても戦うな
これは「幼馴染として」の言葉やと思え
アンネ
アンネ
今だけは仕事とかちゃうからな
ラック
ラック
わかった、ごめん、ごめん…
アンネ
アンネ
何泣いてんねん
ラック
ラック
いや、アンだって涙目になってるからな
アンネ
アンネ
うっさいわアホ…お前が無事ならもうどうでもええわ……
ラック
ラック
どうでも良くは無い
アンネ
アンネ
もう一回眠っとくか?
ラック
ラック
ごめん…?
ゼロ
ゼロ
うわ、アンネがラック中佐泣かせてる…
リゲル
リゲル
あんたが引くなよ
アンネ
アンネ
あ、入ってきてええで~
ゼロ
ゼロ
失礼します
リゲル
リゲル
失礼します
アンネ
アンネ
ゼロ少佐、僕がコイツ泣かせた言うてますけど勝手に泣いたのラック中佐やからね?
ゼロ
ゼロ
いや言葉で責めてたよなお前?
アンネ
アンネ
そもそも僕が言った事全然できてへんのが悪い
ラック
ラック
ご最もすぎて何も言えない
リゲル
リゲル
まぁまぁ、アンネは心配してるんですよ
ラック
ラック
そう…なのか…?
ゼロ
ゼロ
でも無理するのは良くないぞ
アンネ
アンネ
せやで!!
ラック
ラック
善処…する
ヒグレ
ヒグレ
ヨーヒーラー!
ヨヒラ
ヨヒラ
…ヒグレ少将
ヒグレ
ヒグレ
何してんのー?
ヨヒラ
ヨヒラ
第4の兵器を少し調べています
ヒグレ
ヒグレ
なんか最近多いよね、第4の逃走
ヨヒラ
ヨヒラ
昨年は第3…その前は第2、第1…
ヒグレ
ヒグレ
年々深くなってるね
ヨヒラ
ヨヒラ
しかも深くなればなるほど危険な兵器が増えてくる…
ヒグレ
ヒグレ
謎の現象だねぇ…
ヨヒラ
ヨヒラ
それにNO.14が想像以上に力がありすぎたこと
ヒグレ
ヒグレ
僕達より上ならわかる人もいるかもしれない
最近の報告・書類や証拠の提出も兼ねて少し行ってみようか
ヨヒラ
ヨヒラ
ですね…どうしても気になります
ヒグレ
ヒグレ
そうと決まれば早速Go!
みんなには僕から伝えておくよ
ヨヒラ
ヨヒラ
ありがとうございます…

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