第2話

森の秘密
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2023/06/18 11:00
ショウタ
なんで着いてくんだよ、仕事は?
ヒカル
ショウタ様を見張るのが仕事なんですっ
いくら放置されているといえど、1人で出歩かせるわけにはいかないんですよっ
ショウタ
別にいいのに、過保護だな〜
ヒカル
そういう問題ではありませんよっ…
ヒカル
というか、一体どちらに向かわれているのですか?
ショウタ
なんかこっちの方で魔族の人身売買がしてあるんだと。
ヒカル
え、そうなんですか?!
たしかに最近多くなって問題視されていましたが、場所の特定まではされていないはず…
ヒカル
まさかショウタ様、その場所がわかり、遊ぶフリをして調査を…?!
ショウタ
人身売買なんてそうそう見れなくね?
面白そうだから親父の部屋にあった地図パクってありそうな場所調べまくった。
ヒカル
…まぁ、そうですよね。
少しでも期待した俺がバカでした。
そうこうしているうちに、国の外れにある暗い森まできた。
ヒカル
ここですか?
ここはすでに調べて何もないと…
ショウタ
そりゃあ“ここです”なんて表立って商売しねぇだろっ
こういうのは大体人の目に付かないとこのさらに暗い場所を選ぶんだよっ
ショウタ
例えば俺の目安だと…
ほら、あそこの岩とか。
森に入ってすぐにある岩を指差して近づく。
ヒカル
ただの岩じゃないですか。
周りには何もありませんよ。
ショウタ
上ばっか見てるから見落とすんだよっ
岩の下をよーく見てみろっ
そう言ってショウタはしゃがみ、岩付近の草をどかし始めた。
ショウタ
ほら、あった。
ヒカル
えっと…何がですか?
ショウタ
岩に文字が彫ってあんだよっ
“シタ ハ フシギ ナ ラビリンス”
ってな。
ヒカル
あ、ほんとだ…!
草に隠れて見えなかったのか…!
ヒカル
よくわかりましたね、ショウタ様。
ショウタ
周りが何もないのに気取られてこれ以上調べなかったんだろっ
ちょっと考えればわかることだっ
ヒカル
(この頭脳を外でも発揮していたらまだ認められていたのでは…)
とは、ヒカルは口が裂けても言えなかった。
ショウタ
下ってことは、岩どかせばいいんだなっ
よしヒカルっ 仕事だ、これどかせっ
ヒカル
いや俺なんですか…?!
ショウタ
こんなデカい岩動かせるわけねぇだろっ
こういうのは力持ちなお前がやれよっ
ヒカル
ハァ…人使いが荒いんだから……
言いながらもショウタの言いつけ通り、ヒカルは岩を横にずらした。


すると、岩の下から階段が現れた。

階段はずっと下につながっている。
ヒカル
本当にあった…!
ヒカル
ショウタ様、今すぐこれを伝えっ、!
ショウタ
よしヒカルっ、行くぞっ
ヒカル
ですよねー…
あとで怒られる覚悟で、下へ降りていくショウタの後を着いて行った。

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