ねぇ、「夜行列車」って知ってる?夜の二時に駅に停まる列車の都市伝説なんだけど。
見た目は真っ黒な列車で、両車は無限にあって終わりがないんだって。
でね、その列車に入っちゃうと、閉じ込められちゃうって話があるんだ。
……でも問題はそこじゃないんだよ。
–––––––この列車に踏み込んだら–––––……。
キーンコーン……
––––––空彩学園・高等部
俺––––––五月雨 ハジメは大きく伸びをした。
あの並行世界での生活から、三週間後。
時間の流れは同じだから時差ボケはしない、ものの、向こうとこっちの世界観が違いすぎてなかなか慣れそうで慣れない……。
向こうで一年過ごしただけでこうなるとは……。
急に後ろ黒板から、幽霊––––––星川 リリィが出てきた。
この男は昔は有名だった天才子役だったのだが、父に本当の自分を認めてもらえないことに傷つき、クローゼットに閉じこもっていたところ、自身に髭が生えていることに気づいて、心臓発作でタヒんだらしい。
タタ…
「「「「「「「「「やった〜!」」」」」」」」」
俺の上司の日向さえもつかめない列車……。
調査に派遣した人たちも続々とやられているらしい。
……しゃーねぇ。みんなを守り切って、ついでに列車もつぶしとくか……。
次回第二話「乗車」
























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!