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第9話

隠し事は隠されてなきゃ隠し事じゃない
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2026/02/12 21:00 更新










長谷川エイジ
〈霜羽がスーツ着ないで出撃したのか…〉
亜白ミナ
〈はい、あの時、確実にスーツは着ていませんでした〉





夜の12時






どうせ鳴海に聞いたところで




ろくな返事が返ってくるわけないことを思い出し





夜勤中の長谷川副隊長に電話をかけた







長谷川エイジ
〈すまない、俺もそのことについてはちょっとわからん〉
亜白ミナ
〈そうですか…〉




第一部隊のお母さんとも言えるあの長谷川副隊長でもか…





亜白ミナ
〈ちょっと報告書にどう書けばいいか悩んでいまして〉




実のところ、本気で悩んでいる






ありのままを書いたところで突き返されるだけだこれは







亜白ミナ
(というか、カフカ君…このままじゃ不合格確定なんだけど)





どうしよう…





霜羽のこともだしカフカ君のこともだし







うーん…









長谷川エイジ
〈その件に関しては彼女はこちらの隊員だからな、鳴海と四ノ宮長官に尋ねてこよう〉
亜白ミナ
〈お手数をおかけします…いいんですか?〉
長谷川エイジ
〈俺も気になるからな、ところであいつの調子はどうなんだ?〉




霜羽の調子?





問題ないように見えてたけど…






亜白ミナ
〈おそらく問題ないかと〉
長谷川エイジ
〈そうか、ならいいんだ、では〉





通話終了






…長谷川副隊長に迷惑をかける事になりそうだな





































長谷川エイジ
〈スーツ無しでの出撃…か、アホかお前は〉
あなた
〈…開口一番それですか〜?ひっどい〉





軽く流すな、大事だろうバカが








長谷川エイジ
〈四ノ宮長官相手にいつまで隠せるかもわからんのにお前というやつは…〉








お前の健康診断結果の改ざん



担当医への根回し



オペレーターの懐柔



上層部への秘匿










…あげてくたびに頭が痛くなるな






あなた
〈今回はスーツを着る暇ありませんでしたし〜〉
長谷川エイジ
〈なら出撃するな!アホか?アホだったなそう言えば〉
あなた
〈うわぁ…パワハラだぁ〉






それはお前もそうだろう







長谷川エイジ
〈全く……上官を脅す部下がいてたまるか…〉
あなた
〈脅したっていうか優しい性格につけ込んだと言うか…〉
長谷川エイジ
〈みなまで言うな…くそっ〉





過去の自分を恨みたい





こいつの泣き真似に引っかかった自分を、な








まぁ














年端もいかない子供が悔いを残したまま死ぬよりかはいいか





本来なら、命を張ってでも止めるべきなんだろうがな










あんなに真っ直ぐで





深淵のように暗い目を向けられて





NOを突きつけることはできなかった













あなた
〈骨を拾えとまでは言ってないですからね〜気負いすぎないでくださいよ〜〉
長谷川エイジ
〈…俺と鳴海と四ノ宮長官以外の誰がお前の遺骨をひろうと思っている?〉
あなた
〈えー、拾ってくれるんですか!?うっれしいなぁ〉





ケラケラと電話口で笑っている





…顔は笑っていないんだろう?知っているぞ






長谷川エイジ
〈とにかく、今日のようなことはなしだ、根回しがきつすぎる〉
あなた
〈流石にもうしませんよ、でもやっぱスーツない方が戦いやすいn
長谷川エイジ
〈おい〉
あなた
〈はいはーい、じゃあおやすみなさーい〉




ぶつっと通話が切れる




全く…まだ説教をするつもりだったんだが











もう25時か、確かに寝なければならないな






なんだかんだ言ってかなり瀬戸際ギリギリで





受験者を守ったと聞くし




おそらくもうかなり疲れているのだろうな













無茶せず、そもそも防衛隊にいなければ











一言一言喋るたびに咳き込む必要なんぞないだろうに
































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