この世界のどこかにある、とある小さな村。
その村の周りには、どこまでも広く綺麗な草原と、青空が広がっている。
その草原に、5歳くらいと思われる4人の子供たちが集まって話をしていた。
1人の"彼"を囲む3人の"誰か"が、"彼"のことを叱っているようだった。
何を話しているのかは分からないけど、3人の"誰か"の表情には、心配と優しさが垣間見える。
3人の"誰か"の会話は聞こえなかったのに、"彼"の言葉だけは、やけにはっきりと聞き取ることができた。
白髪の"彼"が、そう呟いた。
これは、遠い昔の物語。
意識が浮上るすと共にまず感じたのは、身体の熱さだった。
自分でも熱が出てると分かるくらい身体が熱く、だるい。
重い瞼を開けて、だるさで動かない腕を無理矢理動かして上半身を持ち上げた。
布の擦れる音で起きたことを気づいたらしいしにがみ君が、無理矢理体を起こそうとする俺を見て、すぐにベッドに寝かせつけられた。
服装がさっき着てた猫耳パーカーのままだったから、そこまで時間が経っていないと分かった。
ご丁寧にフードまで被せられてるのはびっくりしたけど……
しにがみ君の大声に頭がズキズキと痛む。
ぺいんとの叫び声に近い大声が頭に響いてすごい痛い…
それにしても身体がだるい…
咳が出るし頭が痛い。
しにがみ君が急いで水を取ってきてくれた。
ぺいんとに身体を、しにがみ君に手を支えて貰いながらゆっくりと水を飲んだ。
無言で頷くだけにして、医務室の様子を見た。
薬を調合しているしにがみ君、俺の足元で安心した表情を見せるぺいんと、扉付近に立っているトラゾーと何故か一緒にいるらっだぁさん……
一国の総統がこんな気軽に遊びに来ても大丈夫なのか心配になってきた。
白い粉の入った小さな袋を持って、しにがみ君が近づいてきた。
口は笑ってるけど目は全く笑ってなくて結構怖い。
俺が説教されてる様子がそこまで面白いのか分からないけど、らっだぁさんが笑っていた。
恥ずかしいから今来てるパーカーのフードで顔を隠したかったけど、手がだるくて動かせないからフードを下げたくても下げれない……
手に持っている小さな袋を渡された。
褒めれば誤魔化せると思ったけどやっぱり駄目だった…
しにがみ君に監視されながら小さな袋に入っている粉薬を飲み込む。
口の中に薬の苦味が広がってく。
それと同時に強烈な眠気が襲ってきた。
しにがみ君のほっとした表情を見ながら深い眠りについた。
ノアさんが薬を飲んだと思ったら倒れるように眠ってしまった。
過保護にも程があるだろ……
3人がノアさんのこと大切にしてるのは昔からそうだった。
最近はだいぶ過保護具合が上がってるけど……
ぺいんとだけ移動するのかと思ったらしにがみさんとトラゾーも一緒に着いてきた。
すごいふんわりした雰囲気になってるけど、人が来ないような場所にわざわざ移動したということは、何かしら裏があるはずだ。
さっきまでの空気とは打って変わって、3人が真剣な表情を見せた。
少しピリついている。
ぺいんとが俺の前に立ちはだかり、しにがみさんとトラゾーが俺の後ろに立つ構図になった。
なるほど。
嘘をついたら命は無いって訳か。
なら、俺も外交モードになるか。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!