4月
( 硝子が顔を覗き込む )
硝子は私の古くからの親友。片時も離れた
記憶が無いくらいには仲が良かった。
今日は高専の入学日。といっても、入学式と
いった大層な行事はなく、ただ学長に会いに
行くだけだ。
高専まで続く階段がやけに長く感じる。
東京だというのに、田舎だし、辺りには緑が
生い茂っていた。
そんなに疲れているように見えないけれど、
硝子はそう言って伸びをした。
少し歩いた先にあったベンチで、二人が言い争い
をしていた。
いや、五条さん?(おそらく)が一方的に責めて
いる。
会話は幼稚なくせにもう既に怖い。
茂みから様子を窺っていた硝子が二人の間に
割って入る。私も急いでついて行った。
夏油さんが指を差した先には、
硝子の手に掴まれた煙草があった。
手でアイスコーヒーを玩びながら、
立ちもせずに自己紹介をしている。
この人が五条悟…思っていたよりも柄が悪い。
確かに。この人達となら少なくとも暇は
しないだろう。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。