第3話

𝟎𝟏
52
2026/04/03 11:13 更新
4月


家入硝子
あなたのニックネームー行くよ?
蓬莱あなた
うん
家入硝子
もしかして緊張してるー?



 ( 硝子が顔を覗き込む )


蓬莱あなた
…っしてない
家入硝子
嘘つけ〜
家入硝子
ははっ今年のメンツやばいらしいかんね。緊張すんのも納得
蓬莱あなた
だからしてないって

  硝子は私の古くからの親友。片時も離れた
  記憶が無いくらいには仲が良かった。


  今日は高専の入学日。といっても、入学式と
  いった大層な行事はなく、ただ学長に会いに
  行くだけだ。


家入硝子
五条家の六眼持ちに呪霊操術の使い手。いつ殺されてもおかしくないわ
蓬莱あなた
硝子は術式使えば治せるでしょ
家入硝子
なーに言ってんの。脳やられたら終わりだよ終わり
家入硝子
それにあんただって人の事言えないっしょ
蓬莱あなた
私は家系に恵まれただけ。硝子は凄いよ。家に術式持ってる人、一人もいないのに
家入硝子
買い被んなー

  高専まで続く階段がやけに長く感じる。


  東京だというのに、田舎だし、辺りには緑が
  生い茂っていた。



家入硝子
着いたー疲れたぁ

 

 そんなに疲れているように見えないけれど、
 硝子はそう言って伸びをした。


蓬莱あなた
誰もいないけど…
家入硝子
ほんとだ。迎えに来てくれてもいいのに
蓬莱あなた
とりあえず同じ一年生を探そう

五条悟
だから、オレンジジュースつっただろ!
夏油傑
すまない。売っていなかったんだ
五条悟
はあ?オレンジジュースが売ってない?
五条悟
んなわけねーだろ!

 

 少し歩いた先にあったベンチで、二人が言い争い  
 をしていた。
 いや、五条さん?(おそらく)が一方的に責めて 
 いる。


五条悟
んな自販機俺が潰してやる
夏油傑
悟、落ち着くんだ。コーヒーはあった。アイスだが。


  会話は幼稚なくせにもう既に怖い。

 

家入硝子
んーと、ちょっといい?


 茂みから様子を窺っていた硝子が二人の間に
 割って入る。私も急いでついて行った。 



五条悟
あ?
家入硝子
君、五条悟であってる?
五条悟
そうだけど、何か用?
夏油傑
悟。初対面の人に遣うような口調ではないぞ
五条悟
うるせえ
家入硝子
用も何も…私達、君らと同じ新入生なんだよね
夏油傑
ああ、そうでしたか
家入硝子
あー敬語いらないよ
夏油傑
分かった。あの、失礼だけど君…学生だよね?
家入硝子
当たり前じゃん
夏油傑
なんで…その、それを?

  

  夏油さんが指を差した先には、 
  硝子の手に掴まれた煙草があった。



家入硝子
あーこれ?趣味
夏油傑
なる…ほど
五条悟
個性的な奴だな
蓬莱あなた
(絶対に人の事言えない)
五条悟
あのさー俺等有名だからさ、君達は俺のこと知っていると思うんだけど
五条悟
俺は君らのこと知らないんだよね
夏油傑
すまない…自己紹介をしてくれ、という意味だ
夏油傑
私は夏油傑。君達は?
家入硝子
家入硝子。どちらかというと甘党
蓬莱あなた
蓬莱あなたです。私も…甘党です
五条悟
蓬莱って…あの?ギリ御三家になれなかったやつ?
蓬莱あなた
はい、多分(なんかムカつくな)
五条悟
へえ…
夏油傑
ほら、悟も自己紹介しろ
五条悟
俺それ必要?
五条悟
まあいーや、五条悟。俺も甘党
喜久福が好きかな。あとオレンジジュース

  手でアイスコーヒーを玩びながら、 
  立ちもせずに自己紹介をしている。

  この人が五条悟…思っていたよりも柄が悪い。

夏油傑
これからよろしく
蓬莱あなた
よろしくお願いします
家入硝子
一年生これで全員?
夏油傑
そうだな
家入硝子
げ、この面子とやっていけるかなー
五条悟
あ?
家入硝子
なんでもない、面白くなりそうだなーって



  

  確かに。この人達となら少なくとも暇は
  しないだろう。





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