「君が頑張った証を、私は知っている」
その言葉を、私は一生忘れないと思う。
画面の向こうで笑っている君は、いつも完璧だった。
明るくて、強くて、誰よりもかっこよくて、
何もかも上手くいってる人なんだって、勝手に思ってた。
でも__
本当は違ったんだよね。
配信が終わった後の、静まり返った部屋で、
誰にも見せないその裏側で、
どれだけ悩んで、どれだけ苦しんで、
それでも「大丈夫」って笑ってたのか。
私は、たまたまそれを知ってしまった。
少し低くて、優しい声で、
振り向いた先にいたのは、いつもの君じゃなくて、
少しだけ、弱い顔をした__さとみくんだった。
思わずこぼれた言葉に、
君は一瞬だけ、驚いたように目を見開いて、
それから、ふっと小さく笑った。
その笑い方が、
あまりにも寂しそうで、
私の胸は、ぎゅっと締め付けられた。
私は一歩近づいて、君を見上げる
震えそうになる声を、必死で抑えて、
その瞬間、
君の表情が、ほんの少しだけ崩れた。
強くいようとしていた君が、
初めて、誰かの前で力を抜いたみたいに。
ぽつりと落ちた声は、
どこか安心したようで。
そう言って笑った君は、
やっぱりずるいくらい優しくて__。
私は、小さく頷いた。
__これは、
誰にも見せなかった君の「本当」と、
それを知ってしまった私の、
少しだけ特別な物語の始まり__。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。