第4話

Story3
118
2024/05/02 05:34
さとみくんside
さとみ
はぁ…
いつも思う、俺はなんで生きてるんだろうって
勉強がてきるわけでも運動ができるわけでもない
特別絵がうまいわけでも、歌がうまいわけでもない
俺みたいなのは社会に必要なのかってたまに思う
俺は最近、自殺する場所を夜な夜な探している
飛び降り自殺でも、首吊り自殺でもいい
はやく消えたかった
さとみ
あそこは……低いか…
その日も夜な夜な歩いていた
ころん
グスッヒックッポロポロ
どこかから、泣いている声が聞こえる__
この街は治安が悪い。
人が泣いているなんて珍しいことではない
さとみ
?、チラッ
普段は無視するのになぜか今日は路地裏を覗いていた
ころん
グスッポロポロ
そこには水色の髪をした、少年が座り込んでいた
肌が白く、鼻が高い
かわいい顔をしていた。
ころん
グスッポロッポロポロ
タイプだった、すごく
俺はその子に一目惚れした
さとみ
君?どうしたの?
俺は思わず声をかけていた
ころん
え、?
その子が顔を上げる
その子の顔を見て、すごく驚いた
宝石のような瞳だった。
光のすべてがそこに集められたような瞳だった。
そこからは、何を話したのかはわからない。
その子に魅了されて、何を話しているかもわからなかった
少年はころんと名乗った。
ころんは俺とどこか似ている気がした
さとみ
ころん?
ころん
ん?
返事までかわいい
あ、やべっ
何言うか考えてなかった
じゃあ…思ったこと素直に言うかぁ
さとみ
お前、目が綺麗だな
さとみ
宝石みたい…
その時、ころんはすごく嬉しそうな顔をした
ころん
ありがとうっ!
さっきまで俯いてたから笑顔を見れて俺もすごく嬉しかった

さとみ
で、お前家は?
ころん
……
予想できない答えだった
ころん
ない……
さとみ
え、
ころん
僕、瞳のせいで色んな人から狙われてるの
だから、家とかも買えなくて…
さとみ
そっか……
泣きそうな顔をして話すころん……
こっちまで泣きそうになる
さとみ
ヨシヨシ、よく頑張ったな
頭を撫でてやる、俺にはこのくらいしかできない
ころん
ポロッ
ころんの目に光るものが見えた
ころん
さとみくんッ グスッ 辛かった ポロポロ
泣きながら、心の内を語ってくれた
ころん
親もッ ポロポロ 瞳とッ僕を グスッ 売り物にして
ころん
誰にもッ 愛されなかった ポロポロ
ころん
みんなにとって ポロポロ 僕はッ "商品"だった
すごく辛かっただろうな……
俺も親に捨てられ、施設で育った。
でも、施設の職員にいじめられ、早々に施設をでた
きっと、そんな俺でも想像できない痛みをころんは感じてる
ころん
ポロポログスッヒックッポロポロ
辺にはころんの泣く声だけが響いた

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