第5話

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2021/07/17 21:44
貴方side


貴『あの……お母さんは…?』


父「買い物だそうだ」




そう言った口元が、ニヤリと歪んだのを

私は見逃さなかった。




ここからは逃げなきゃ。

そう本能が告げている。




その本能とは逆に逃げるどころか、

足が動かない。




助けて………。

誰か………。



手先から氷のように冷えて固まっていくのが

自分でもわかる。




それなのに、手のひらは何故か

じんわりと汗ばんでいた。




でも、その汗からは微塵も

体温を感じられなかった。




父「お前最近たるんでいるんじゃないか?」




やめて……。


来ないで……。




そう願うが、

お父さんの足が止まることはない。




だからといって、私の足は動きそうにない。




父「成長も全く見られないじゃないか。」




やだ。





怖い。




“逃げ出せ” “走れ” という

脳の指示とは裏腹に

その指令を実行することが出来ないでいた。
貴方side


貴『あの……お母さんは…?』


父「買い物だそうだ」




そう言った口元が、ニヤリと歪んだのを

私は見逃さなかった。




ここからは逃げなきゃ。

そう本能が告げている。




その本能とは逆に逃げるどころか、

足が動かない。




助けて………。

誰か………。



手先から氷のように冷えて固まっていくのが

自分でもわかる。




それなのに、手のひらは何故か

じんわりと汗ばんでいた。




でも、その汗からは微塵も

体温を感じられなかった。




父「お前最近たるんでいるんじゃないか?」




やめて……。


来ないで……。




そう願うが、

お父さんの足が止まることはない。




だからといって、私の足は動きそうにない。




父「成長も全く見られないじゃないか。」




やだ。





怖い。




“逃げ出せ” “走れ” という

脳の指示とは裏腹に

その指令を実行することが出来ないでいた。




父「あなたこっちへ来なさい。」




お義父さんは、私の腕を掴み、
勢いよく部屋の奥へと進んでいく。




父「大人には、お前みたいな悪い子を
  ちゃんと躾なきゃいけない
  義務が……なっ。」




そう言って、お義父さんの書斎に入った
瞬間だった……。


ドゴッ((




お義父さんは私の頭を乱暴に殴り、
その反動で私の体は簡単に床へと倒れた。

その痛みに目の前には星が
チカチカと輝いていた。

耳はキーンという音が私の脳を支配する。




貴『いッ…………!!』




このまま、意識を失ってしまえば
どれ程楽だろう……。


そう思うけど………



上手くはいかない………




父「痛いか?だが仕方ないんだ。
  お前は悪い子なんだから。これは躾だ。
  言ってだめなら、体に覚えさせないと
  いけないん……だっ。」




私の髪の毛を掴み、お義父さんは私の頭を
硬いフローリングの床に叩きつける。


痛い………………。


怖い………………。




お義父さんは私の頭を掴んだまま、
離そうとしない。

それどころか、何度も床に頭を打ちつける。




星がたくさん瞬いて、意識が朦朧とする。




父「おいっごめんなさいじゃないのか!?」



貴『ごめんなさい。ごめんなさいッ!』




お義父さんは私の頭から手を離し、
ゆっくり立ち上がると、
今度は私の腹部を何度も蹴り始める。

髪は乱れ、顔は涙でぐちゃぐちゃだ。

聞こえるのはお義父さんの罵声だけ。



私はひたすら謝り続けた。
だけどそれは全く意味をなしていなかった。




そんなときだった………。












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作者
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投稿をサボってしまいすみません
これからは不定期更新でいきたいと思います

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