社長に辞めるお話をしてから、案外早く事は進んだ
ちょっとは引き止めてくれるかな、、なんて思ったりもしたけど、そんなことはなく
すぐに新しい秘書が見つかって、今は仕事の引き継ぎ作業中
、、、期待してた僕が馬鹿みたいだ
そういってメモを取る彼女
懐かしいなぁ、僕も死ぬほどメモを取らされたっけ
それで手が腱鞘炎になっちゃったりして
その時は社長のこと嫌だったのにな
今は辞めるのが寂しいだなんて、、
この子は仕事できるんだろうな
若いのにすごいなぁ
僕はミスばっかりで、でも社長はクビにすることなく僕を助けてくれたんだっけ
一緒にお出かけもしたなぁ
この子と社長も、お出かけするようになるのかな
それはちょっと、、いやだなぁ、、
ああ、あと、家にも行くんだろうなぁ
朝起こして、ご飯作って、ネクタイ締めてあげて、、
、、、いやだなぁ
なんでだろ、胸が苦しくて、涙が出そう
僕は必死に涙を堪えた
今は社長に呼ばれることはあまりない
新しい秘書さんが来たから
僕はもう辞めるから
この子はもう仕事をたくさん覚えた
あと3日間引き継ぎの期間があるけど、もう大丈夫なんじゃないかって思えるくらい
そして、この子はその辺の女の子と違う
よく社長に媚を売るような、そんな女の子を見てきたけど、、
この子はそんなことしない
見ていてわかるもん
しっかりしてる
僕とは全然ちがうなぁ、
社長、この子のこと気に入るかもなぁ
女嫌いだけど、この子とは普通に会話してるし
僕とは違って細くて華奢で、顔も可愛いもんなぁ、、
ああだめだ、また涙が出そう、、
僕はなるべく平然を装って、社長の方を向いた
すると、社長は一瞬目を見開いたが、すぐ普段通りに戻った
、、どうやら僕の目には涙が溜まってるみたいだな
社長もあまり触れないようにしたのだろう
んん、、僕泣かずに耐えられるかな?
社長といたら今までの思い出とか蘇ってきて、感極まっちゃいそう、、
でも、だからと言って断るわけない
自分で最後って言ったくせに、その言葉で辞める実感が湧いちゃって、、
辞めるのがこんなに苦しいことだなんて思ってなかったなぁ、、、















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。