第26話

22話 呪胎戴天・参
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2024/03/03 12:58 更新
No slime
キン と音がして、呪霊が薄くスライスされた。
特級呪霊
ア゙…
特級呪霊
ア゙ァ…
か細い声を上げる呪霊スライスを、宿儺が掴む。
両面宿儺
3枚におろしたつもりだったんだが
両面宿儺
やはり弱いな、オマエ。
両面宿儺
そうそう、それから
ズチュ


呪霊の心臓あたりに手をいれた。


ズルンッ
両面宿儺
これは貰っていくぞ。
取り出したのは宿儺の指。


核を取られた呪霊は消滅した。
両面宿儺
終わったぞ!!
両面宿儺
不愉快だ!!代わるのならさっさと代われ!!
両面宿儺
…小僧?
両面宿儺
異変に気付いた宿儺は、邪悪な笑みを浮かべた。
生得領域が閉じた!!


特級が死んだんだ。


後は虎杖が戻れば…
両面宿儺
虎杖ヤツなら戻らんぞ。
宿儺…!?


虎杖が宿儺を抑えられてない…!!
両面宿儺
そう脅えるな。今は機嫌がいい。
両面宿儺
少し話そう。
両面宿儺
なんの”縛り”もなく、俺を利用したツケだな。
両面宿儺
俺と代わるのに少々手こずっている様だ。
両面宿儺
しかしまぁそれも時間の問題だろ。
両面宿儺
そこで俺に今できることを考えた。
宿儺はビリビリと制服を破く。
伏黒 恵
そして心臓あたりに手を突っ込んだ。
伏黒 恵
なっ!!
目の前で起きていることが理解できず、伏黒は固まる。
両面宿儺
虎杖こぞうを人質にする。
手にはまだ鼓動する心臓。


心臓を地面に投げ捨て、宿儺は笑いながら言った。
両面宿儺
俺は心臓コレなしでも生きていられるがな。
両面宿儺
虎杖こぞうはそうもいかん。
両面宿儺
俺と代わることは死を意味する。
両面宿儺
更に
両面宿儺
駄目押しだ。
宿儺の指!!


特級が


取り込んでいたのか!!
両面宿儺
さてと
両面宿儺
晴れて自由の身だ。もう脅えていいぞ。
両面宿儺
”殺す”
両面宿儺
特に理由はない。
伏黒 恵
……あの時と
伏黒 恵
立場が逆転したな。
不平等な現実のみが平等に与えられている
伏黒 恵
虎杖は戻ってくる。その結果自分が死んでもな。
伏黒 恵
そういう奴だ。
両面宿儺
買い被り過ぎだな。
両面宿儺
コイツは他の人間より多少頑丈で”鈍い”だけだ。
両面宿儺
先刻もな、今際の際で脅えに脅え
両面宿儺
ゴチャゴチャと御託を並べていたぞ。
両面宿儺
断言する。
両面宿儺
奴に自死する度胸はない。
腕が治ってる。


治癒…


反転術式が使えるんだ。


宿儺は受肉してる。


心臓なしで生きられるとはいえ


ダメージはあるはずだ。


虎杖が戻る前に心臓を治させる。


心臓を欠いた体では


俺に勝てないと


思わせるんだ。


できるか?


特級の前ですら


動けなかった俺に。


できるかじゃねぇ


やるんだよ!!




鵺を調伏させる。


宿儺は髪を上に上げながらも言った。
両面宿儺
折角外に出たんだ。
両面宿儺
広く使おう。
両面宿儺
(面白い)
両面宿儺
(式神使いのくせに)
両面宿儺
(術師本人が向かってくるか。)
ガガガガ


伏黒が宿儺に攻撃するが、容易く受け止められる。
両面宿儺
もっと呪いを篭めろ。

そう言って、宿儺が伏黒の顔面に一発いれた。


伏黒が隙を見て「大蛇オロチ」を調伏した。
地面から大蛇が現れ、宿儺をくわえる。


後ろから鵺が攻撃した。
伏黒 恵
畳み掛けろ!!
宿儺がニマァと笑みを浮かべた。


大蛇が半分に裂かれ、空から黒い雨が降る。
両面宿儺
言ったろう。
両面宿儺
広く使おう。
ブンッ


伏黒が、いとも容易く上空に飛ばされた。



呪術うんぬんじゃない!!

膂カパワー
伏黒 恵
~っ!!
敏捷性アジリティも!!


格が違う!!
ボグッ


空でも殴られる。


が何とか鵺が受け止めた。
両面宿儺
いい術式だ。
ズウン…


轟音と共に地に落ちた。


抉れた建物の下で、伏黒は座り込んでいた。



「鵺」も限界だ。


壊される前に


解いた方がいいな。


生得領域を抜けるのに


式神一通り使っちまった。


しかも「玉犬」(白)と「大蛇」は


破壊されてる。


もう呪力が一




ズン


宿儺が地面に降り立った。
両面宿儺
オマエの式神
両面宿儺
影を媒体にしているのか。
バレた所で


問題はない。
伏黒 恵
ならなんだ。
両面宿儺
フム
両面宿儺
分からんな。
両面宿儺
(呪符を使うありきたりな術式ではない。)
両面宿儺
(応用も効く。)
両面宿儺
オマエあの時
両面宿儺
何故逃げた。
伏黒 恵
両面宿儺
宝の持ち腐れだな。
両面宿儺
まぁいい。
両面宿儺
どの道その程度では
両面宿儺
心臓ココは治さんぞ。
バレバレか。
両面宿儺
つまらんことに命を懸けたな。
両面宿儺
この小僧に、
両面宿儺
それ程の価値はないというのに。
虎杖 悠仁
じゃあなんで
虎杖 悠仁
俺は助けたんだよ!!
不平等な現実のみが平等に与えられている
津美紀
誰かを呪う暇があったら
津美紀
大切な人のことを考えていたいの。
疑う余地のない


善人だった。


誰よりも


幸せになるべき人だった。


それでも津美紀は


呪われた。



俺の性別も知らず


”恵”なんて名前を付けた父親は


今も何処かで


のうのうと生きてる。



因果応報は


全自動ではない。



悪人は法の下で


初めて裁かれる。



呪術師はそんな”報い”の歯車の一つだ。



少しでも


多くの善人が


平等を


享受できる様に



俺は不平等に


人を助ける。
ズズズズ


ビリビリビリ
両面宿儺
いい。
両面宿儺
いいぞ。命を燃やすのは、これからだったわけだ。
両面宿儺
”魅せてみろ!!”
両面宿儺
”伏黒恵!!”
伏黒 恵
布瑠部由良由良ふるべゆらゆら
ハ握やつかの一」
伏黒 恵
伏黒 恵
…俺は
伏黒 恵
オマエを助けた理由に
伏黒 恵
論理的な思考を持ち合わせていない。
伏黒 恵
危険だとしても、オマエの様な善人が死ぬのを見たくなかった。
伏黒 恵
それなりに迷いはしたが、結局は我儘な感情論。
伏黒 恵
でもそれでいいんだ。
伏黒 恵
俺は正義の味方ヒーローじゃない。
伏黒 恵
呪術師なんだ。
伏黒 恵
だからオマエを助けたことを
伏黒 恵
一度だって後悔したことはない。
虎杖 悠仁
…そっか。
紋様が消えていく。
虎杖 悠仁
伏黒は頭がいいからな。
虎杖 悠仁
俺より、色々考えてんだろ。
虎杖 悠仁
オマエの真実は正しいと思う。
虎杖 悠仁
でも俺が間違ってるとも思わん。
ボタボタ


血が落ちていく。
虎杖 悠仁
あー悪い。
虎杖 悠仁
そろそろだわ。
虎杖 悠仁
伏黒も釘崎も
フラッ っとよろめいた。
虎杖 悠仁
五条先生…は心配いらねぇか。
虎杖 悠仁
長生きしろよ。
ドサッ
空は灰色で、雨がザァーザァー と降っていた。
作者
作者
スクロールお疲れ様です。
作者
作者
誤字があったため、訂正しました。

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