あなたの荷物が運び終わった頃、
相澤が寮に入ってきた
相澤の声に、後藤に肩車をされたまま
あなたが振り返る
あなたが後藤に見えるように指を指すと、
後藤が180度回転して相澤に向き合う形になる
言わずともわかるだろう。そこじゃない
相澤は少しの逡巡の後、まあいいかと呟いた
てっきり中断するものだと思っていた
クラスメイトたちは動揺が隠せない
さすがに後藤があなたに進言し、
あなたは後藤の肩をおりた
後藤がおもむろにウェストポーチを漁り、
あなたの仮免許を出した
思わず声を上げる生徒たちと違い、
相澤は至って冷静だ
まるで知っていたかのような相澤の口ぶりに、
生徒たちはそろそろ失神寸前になっている
つまり、早い者では中学のうちに
取得するということだ
そして、鬼殺隊はほとんど実践第一の部隊なので
連携、突発的事象への対応など
全てにおいて慣れっこであり
基本仮免試験に落ちる者はいない
頷く相澤を他所に、生徒は全員揃って鬼殺隊の
レベルの高さに引いていたとかいなかったとか