あなたが驚いたのは、自分が姿を眩ませていた間に
オールマイトが引退していたことだ
痩せ細ったオールマイトが首を傾げると、
あなたは頭を振った
うっかり他の人の前で指摘してしまっても悪いと思い
距離をとっていた
俯くオールマイトの触角を触りたかったが、
さすがに自重した
無意識の中で、あなたは少し悲しく感じた
真っ暗にくぼんだ目の奥に、未だ光る瞳が見える
きっと濁ることの無い輝きが
まだ戦えただろうし、戦いたかっただろう
心と裏腹に戦えない現実を突きつけられる絶望は
何度も見てきた
そして、感じてきた
だから、あなたは笑った
そう言って微笑みを浮かべるあなたに、
オールマイトは尋ねた
あなたの言葉に
オールマイトの顔にも微笑が浮かんだ
それなら仕方ないと、
あなたは口元を緩めたまま眉を下げる
答えたあなたの顔が、
オールマイトにはやけに大人びて見えた














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。