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小説
青春・学園
雷が鳴る頃彼らは誰かのヒーローになる
初日
おそらく心理的負担の軽減が理由だろうってしのぶさんが
さすがに補聴器してた頃よりは聞こえづらいけど、日常生活に支障ないから
これからどんどん良くなるだろうって
あなたが見せる朗らかな笑顔に、思わずクラスの面々の口元もほころんでいた
まあ、補聴器つけてた期間が長かったから、ないと少し違和感なんだよね
けど多分、そのうち慣れるだろうから
あなたがさっきと反対側の耳に髪を耳にかける
そちら側の耳にも、イヤリングの影はなかった
そっか!
うん
あなたが頷くと同時にチャイムが鳴った
それから間もなく、相澤が教室に入ってくる
おはよう
我妻は今日から復帰か
相澤が顔を動かさぬまま視線をあなたに向けた
心做しか、安堵したような表情が伺える
そんじゃ、ホームルームはじめるぞ
すぐに視線を教卓に戻した相澤を眺めながら、あなたは久しぶりの教室の空気に頬を緩ませた