第177話

リクエスト番外編 根無し草が咲く場所は ①
1,018
2025/08/16 11:10 更新


読者の皆様こんにちは😃みゃーるさんです☺️


こちらは本編とは別のリクエスト番外編になっております。ですが物語の舞台は「命の風を吹かせて」になります。

読者様より、設定のリクエストをいただきまして、
今回執筆してみました😉

全七話の短編物語になっております。

ぜひご拝読いただけると嬉しいです☺️


⭐️リクエスト内容
環奈が最終決戦で死亡するが、記憶を失くして転生して皆と再会する。
再会の舞台は最終決戦後。


以下本編となります😉







環奈
(ああ、嫌‥‥死にたくない‥‥実弥様の傍にいたい‥‥)


体が鬼になり、実弥に頚を斬られ、体が崩れ落ちる中‥‥。



環奈は実弥との別れを、強く否定した‥‥。



その時、内なる異能のちからが‥‥奇跡を起こした。









パチッ‥‥と目覚めると、多くの人が目を見開いてこちらを見下ろしていた。




記憶を失くした少女
‥‥ここは‥‥?


かすかに香る線香の匂い‥‥。


ほおには柔らかな白い花が触れていた。


不死川実弥
環奈ッ!?環奈ァァァァッ!!
胡蝶しのぶ
これはっ!一体どういうことですか!?
甘露寺蜜璃
うわぁぁあ!!環奈ちゃんが生き返ったぁぁぁ!!
煉獄杏寿郎
よもやっ!突然現れるとは!!
宇髄天元
派手に摩訶不思議まかふしぎな事もあるもんだっ!!
伊黒小芭内
信じられん‥‥どうなっている?
冨岡義勇
奇跡だ
悲鳴嶼行冥
まさか、このような奇跡が起きるとは‥‥南無
時透無一郎
そんな事どうだっていいよ!ほんとに‥‥っ
‥‥よかった‥‥


顔に傷のある青年を筆頭に、次から次へとこの身がきつく抱きしめられる。


記憶を失くした少女
あ‥‥あの‥‥苦しいです‥‥
あなたは‥‥誰ですか?


困惑しながら、その言葉だけが口からこぼれ落ちる。




柱たち全員
‥‥え?‥‥



先程の歓喜の声が一瞬にして静まり返り、周囲を静寂せいじゃくが包んだ。


不死川実弥
環奈、わかんねェのか?俺のこと、忘れちまったのか!?


抱擁ほうようを解かれ、顔に傷のある青年と対峙する。


切なげにゆらめく彼の瞳に涙の膜が光っていた。


けれど、少女の頭の中はきりがかかるばかりで‥‥状況を飲み込むことができない。



記憶を失くした少女
かんな‥‥とは、私のことでしょうか‥‥?
記憶を失くした少女
すみません‥‥何も、思い出せなくて‥‥


青年の服装は喪服もふくだった。


周囲をよく見てみると、その場にいる人たちは皆、
喪服を身にまとっていた。


そして、自分が横になっていた所を見ると棺桶かんおけだということがわかる。


加えて、自分が身に纏っている着物は白い死装束しにしょうぞくだった。



記憶を失くした少女
‥‥お葬式‥‥?私は、死人しびとなのですか?


よくわからない状況に、背筋が寒くなってくる。


少女は目を四方に泳がせてうつむいた。


すると、温かい手がそっと少女の頭を撫でた。


不死川実弥
‥‥今は、少し混乱してんのかもしんねェ
不死川実弥
‥‥俺だって‥‥何か‥‥信じらんねェから


その温かい手の青年は、目から涙を流しながら優しく微笑んでいた。


その笑顔に不思議と心がきつけられて、目をそらせなくなる。


記憶を失くした少女
あ‥‥あの‥‥


少女の目からも涙がこぼれ落ちる。


何だか、彼にしがみつきたいようなそんな気持ちが起こるが‥‥自ら手を伸ばすことができなかった。


すると、その気持ちをんでくれたかのように‥‥
青年が、そっと抱きしめてくれた。



記憶を失くした少女
ふえぇぇん‥‥


少女は理由もわからず込み上げる涙を我慢できず、
声を出して泣いた。








不死川実弥
環奈は俺が連れてく
胡蝶しのぶ
いいえ不死川さん、環奈さんはしばらく蝶屋敷で保護します



花咲環奈
(‥‥花咲環奈‥‥)



未だ実感はないが、周囲の者達からひとまずその名前だけを教えられた。


棺桶から出た環奈の横では、今後の対応について話がなされている。


胡蝶しのぶ
記憶がない環奈さんにとって、男だけの屋敷に身を置くのは感心できません
宇髄天元
まぁ、胡蝶の言うことも一理あるなっ
煉獄杏寿郎
うむ!同感だ!
甘露寺蜜璃
それなら、私のお家でもいいよ!
時透無一郎
えー、僕が連れて帰りたかったのに
伊黒小芭内
俺は不死川のもとに居させる方がいいと思うが
不死川実弥
だろォ、伊黒ォわかってんなァ
悲鳴嶼行冥
何が最善なのか‥‥南無
冨岡義勇
花咲が困っているぞ



周囲の視線が環奈に集中した。



花咲環奈
えぇと‥‥あの‥‥
胡蝶しのぶ
こうなったら本人にいてみましょう、
環奈さん、誰の家で暮らしたいですか?


紫がかった黒髪に、蝶の髪飾りをつけた美しい少女が優しい声音で告げた。


花咲環奈
あの‥‥私のこと‥‥保護してくださるのですか?



環奈は戸惑いながらそう告げる。


すると温かい言葉の数々が返ってきた。



胡蝶しのぶ
はい
不死川実弥
当たり前だァ
宇髄天元
当然だろっ!
甘露寺蜜璃
もちろんだよー!
時透無一郎
環奈さんをほっとく訳ないでしょ
煉獄杏寿郎
うむ!安心するといい!
伊黒小芭内
花咲が案ずる事はない
冨岡義勇
そうだな
悲鳴嶼行冥
皆の言う通りだ‥‥南無



皆からの温かい眼差しが環奈に注がれる‥‥。


それだけで、環奈の目から涙がこぼれ落ちていった。


花咲環奈
うぅ‥‥ふぇん‥‥ありがとうございます






記憶喪失‥‥。




自分の名前すら解らない状況は、とにかく環奈を不安にさせた。




誰の家で暮らしたいか‥‥その問いに、環奈はどう答えて良いかわからなかった。




環奈は皆に深々と頭を下げる。



花咲環奈
あ、あの‥‥私に仕事を与えてくださる方の所に行きたいです‥‥
花咲環奈
何もせずただ居候いそうろうする訳にはいきませんので‥‥



それは環奈が示せる精一杯の意思だった。


周囲の気配がゆらぎ、しばし沈黙ちんもくが流れていく。







胡蝶しのぶ
それでしたら、やはり私の所がいいでしょう。
あなたに相応ふさわしい仕事をご用意できますから



そう告げて環奈の手を優しく握ったのは、蝶の髪飾りをした少女だった。


胡蝶しのぶ
私の名前は胡蝶しのぶ、環奈さんよろしくお願いしますね


その穏やかな笑顔に不思議と懐かしさが込み上げる。



花咲環奈
はい、よろしくお願いします胡蝶さん
胡蝶しのぶ
胡蝶さんだなんて‥‥しのぶでいいですよ環奈さん



こうして環奈は、しのぶの住む蝶屋敷で世話になる事となった‥‥。












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