あなたちゃんが生きてた証、どうにかして探したい。
あなたが行ってた学校とお気に入りのバイト先に顔を出してみた。
誰もあなたちゃんのことを思い出してくれなかった。
道枝「なあ、佐山あなたって知らん?」
女子高生「誰ですかね、」
道枝「佐山あなたって子、ここでバイトしてませんでした?」
店長「うーん、知らないな」
店長「誰のか分からないネームプレートとエプロンがあるんだけど、それに佐山って書いてあるんだよね」
絶対にそれはあなたちゃんのだ。
あなたちゃんはつい最近まで生きてた。
その事実が嬉しくて、垂れてきた涙を誤魔化すようにドーナツを口に詰め込んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。