周囲を見れば、皆どこか嬉しそうな顔をしている
カナエもしのぶも
獪岳と善逸も
皆
笑っていた
宇髄が杯を掲げる
広間が静かになる
その言葉に、あちこちから同意の声が上がる
宇髄はにっと笑った
ちらりとあなた達を見る
今度は実弥が杯を上げる
カナエが続く
甘露寺も嬉しそうに笑う
義勇は少し考えた後
それだけ言った
だが冨岡らしくて、皆が少し笑った
思わず笑ってしまった
そして最後に、全員が杯を掲げる
声が重なる
広間に笑い声が広がった
あなたも杯を持ち上げる
その瞬間
ふと視線を感じた
隣を見る
錆兎だった
あなたが首を傾げる
錆兎は少し目を細める
あなたは一瞬だけ目を丸くした
そして、小さく笑う
迷いなく答えた
昔は想像も出来なかった
鬼に家族を襲われ、命を懸けて戦い続け何度も死にかけた
そんな自分達が、今こうして仲間達に囲まれている
あなたは広間を見渡した
笑う仲間達
賑やかな声
穏やかな春の日
失ったものは多い
それでも
あなたがそう思った時
錆兎が小さく笑った
あなたは少し笑う
そう返すと、珍しく錆兎も柔らかく笑った
その顔を見て、あなたは思った
広間には、春のような暖かな笑い声がいつまでも響いていた
今回は短め
アンケートは6月3日までにします











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。