この世界は私が前世でプレイした『聖女の名のもとに』という乙女ゲームだ
ヒロインが異世界から聖女として召喚され、魔王討伐を目指しながら攻略対象と仲を深めていくというありがちといえばありがちなシナリオだったはずだ
ちなみに私は魔王討伐の中で度々登場する半お間抜けお邪魔虫で、不誠実ながら魔王に恋をして、最後には無様の殺される脇役だ、なんとも悲しい
先程魔王様を守ると誓った今人間側の情報を洗い出して、戦略を立てようと思ったが何も勇者又は聖女に関する情報が出てこない
まぁ、それもそのはずで魔族は力こそ全てという脳筋集団であり、魔王様が復活した今すぐにでも人間を攻めようと考えるようなレベル帯なのだ
本当にたまーーーに頭のいい奴もいるが大概出世はできない
実はその力至上主義のせいで魔力量が魔王様がいない間はトップだったこの私、あなたのカタカナ下の名前はわがまま女に育っていたりもする
…あ、私が出かけている間は魔王様は誰に預けようか
魔王様といえど赤子では1人にしてはおけない
そんな時、他の魔王様側近達の存在を思い出したのだ
こいつらは私と同じ魔王様側近の3人
ゲームの中のあなたのカタカナ下の名前は彼らに魔力で威圧して半召使いかのような扱いを強要していた
その為に魔王様復活の儀の時彼らも一緒にお迎えをする役目だったのだがあなたのカタカナ下の名前のわがままによってできなくなっている
あ、勿論その影響でだいぶ嫌われている
…そして実はゲームの攻略対象だったりもする
なんで魔王様が無理でこいつらはいけるんだよ!!
制作スタッフどうかしてるんじゃないの!?
そう言って、暗に1人で行ってこいと言ってくるこいつら
確かに前のあなたのカタカナ下の名前の態度は悪かったけど、こいつら同僚の頼みぐらい聞いてくれてもよくないか?
トラゾーに関してはただただ傷を抉られているだけだし
3人には召使い役をさせてしまったという罪悪感から後で謝ろうと思っていたが、この時絶対に、永久に謝らないと誓った
こうしてすごく嫌そうな顔をしているシニガミと私の人国偵察が決まった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!