第37話

第三十八話「誘惑すんな。バーカ。」
35
2025/09/19 15:01 更新
第三十八話「誘惑すんな。バーカ。」

夜のリビング。
リラックスした空気の中、孝宏はソファに仰向けになり、珍しく何もせず静かに目を閉じていた。
部屋の明かりは柔らかく、テレビの音だけが小さく流れている。

そんな中、あなたの下の名前は香菜との“色気作戦”の続きを頭に描いていた。
「次は“見た目”でもドキッとさせてみなよ」――香菜のそのアドバイスが、今も耳に残っていた。

あなたの下の名前の格好は、孝宏の白シャツ一枚。
しかも、わざと少しボタンを外し気味にして、下は短すぎるショートパンツ……というか、ほとんど見えないレベル。

(……バカだよね、私……でも、もう戻れないし……)

心臓が爆音を立てる中、あなたの下の名前はそっと孝宏に近づき、気づかれないようにその上にまたがるように座る。

その瞬間――

孝宏「……おい。」

目を閉じていた孝宏の声が静かに響いた。
あなたの下の名前はビクッとして動けなくなる。

ゆっくりと目を開けた孝宏は、目の前にいるあなたの下の名前の姿を見て、眉をひそめる。

孝宏「……お前、それ……何してんだよ。」

あなたの下の名前は視線を逸らしながら、ぎゅっとシャツの裾を掴んだ。

あなたの下の名前「……たまには、こっちから仕掛けても……いいかなって思って……」

沈黙。
数秒間、ただ見つめ合う二人。

孝宏はふっと笑うと、両手をあなたの下の名前の腰に添え、ゆっくりと引き寄せるようにして、あなたの下の名前の額に自分の額をそっとくっつけた。

孝宏「……誘惑すんな。バーカ。」

その声は低くて、優しくて――でも、たしかに熱を帯びていた。

あなたの下の名前は、耳まで真っ赤にして、小さく震える声で返す。

あなたの下の名前「……だって……おに……じゃない、たっくんのこと……好きだから……」

孝宏の指先が、あなたの下の名前の髪を優しくすくって、耳の後ろにかける。
そして、絞り出すように言った。

孝宏「……もうちょっとで、理性、なくなるとこだった。」

あなたの下の名前は目を見開く。

孝宏「……だから今は、逃げとけ。俺、お前のこと……本気で抱きたくなる。」

そう言って、孝宏はあなたの下の名前をソファからそっと下ろした。

あなたの下の名前の胸は高鳴りっぱなしだったけど、心の奥に、確かな喜びが芽生えていた。

(……私、たしかに“女の子”として見られてるんだ……)

プリ小説オーディオドラマ