渡我被身子side
信じてくれなかった。
それだけが私の頭を埋め尽くしていて、気がついたら公園で泣いていた。
お母さんもお父さんも。まるで恐ろしいものを見ているみたいに私を見た。
怖かった。悲しかった。
「大丈夫?」
『、え』
そんなときに話しかけてくれたのが君だった。
大きくてクリっとした目と通った鼻筋。
(きれいな子だなぁ…)
一瞬見惚れた。けど、それと同時に怖くなった。
この子もお母さんたちと同じかもしれない。
『あっ、、これは…!』
スズメを隠そうとしたけど、遊具で遊んでいた子たちに見つかってしまった。
「なんだお前、その鳥殺したのか?!」
「うわ!怖い!」
頭の中が真っ白になった。
目頭が熱くなって、涙が溢れそうになる。
『ちがう、違うの…!落ちてたの…!!』
『拾っただけなの…!!』
「嘘つけ!お前が殺したんだろ!」
「…はぁ」
ため息をついた君を見て、「この子も私を罵倒するのか」と悲しくなった。
でも、君から出た言葉はそんなものじゃなかった。
「あっち行こうよ」
『えっ、』
私の手を取り、歩きだす君。
他の子たちがなにか言っているが、なにも聞こえなかった。
ベンチに座ってスズメの手当てをしているときも、君は私を責めなかった。
『…怖いって、言わないの…?』
「なんで?」
君は分かっているだろうに。
「俺は…君がしたかったことも知ってるから。」
スズメのことだろう。
親でさえも信じてくれなかった話を、君は信じてくれた。
気がついたら、手にポタリと涙が落ちていた。
さっきまでの涙とは違う、嬉しいときに出る涙。
『ぐすっ……う、ぁ』
下手くそな嗚咽をあげながら、泣いた。今日はよく泣く日だなぁ。
私が泣いている間、君は背中を撫でてくれた。
きっとその時だろう。
私が斎藤あなたを好きになったのは。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。