僕はあの後起きてるつもりだったのに
すぐに意識を失って
死んだ…?
えっ……もしかして
一回死んだ…?
タタタタタ
僕は初めて全速力で走った
早く嘘だと言ってほしかった
こんな奇跡があり得るのか
僕は出血多量で死んだただの11歳の不幸の人
そんな事を考えていた
みんなの時間が止まった
移動中
なんか昔の記憶だった
まだ自分の事も分からない外の世界も知らないあの
小さかった頃
みんなで
紙飛行機作ったの覚えてる?
僕は覚えていなかった
あの時…言ってくれたよね
いつか外で遊ぼうって
僕は大事な事が覚えられなかった
でもあの時の紙飛行機は今でもしっかりと取っておいている
そして数年が経って
僕の病気はどんどん重くなって
余命宣告までされた
w……
あと?8年?
20歳にもなれないまま死んじゃう
そんな僕を哀れんでくれたよね
僕は嬉しかったよ?
励ましてくれた"先生"がいてくれて
生まれた瞬間から一緒に過ごしてきて
飽きたなって時は1秒もなかった
先生が僕の生きがいだった
だからね
1つお願いがあって
僕が死んだらお墓に紙飛行機を置いといて
紙飛行機が飛んだ方向に僕がいるからね
これは先生達と僕の"約束"
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。