小説更新時間: 2026/06/09 11:23
連載中
放課後は、魔術喫茶で日常を。

- 青春・学園
- オリジナル
- デイリーランキング最高 28 位(オリジナル)
- いつもの場所で
何も特別な事は無い、火曜日の放課後。
何の変哲もない何時もの帰路を、何の気なしに歩く。
幾度も通った道だ。
目を閉じてでも家に辿り着く自信がある。
「⋯⋯花?」
何の変哲もない、ただの放課後。
⋯⋯そのはずだった。
少なくとも、たった今日までは。
たまたま目に入ったのは、よく見なければただの雑草と見間違えて、例え見間違え無くとも常人ならばそのまま素通りしてしも仕方の無いような、そんな存在感の薄い花だった。
だけどその花は、植物園等を除いてしまえば日本には自生していないはずの⋯⋯。
「ベラドンナ?」
その花の名前を呟き、思わず見入ってしまう。
薔薇やチューリップと比べてしまえば、いや比べるべくも無く地味な花のはずなのに⋯⋯実際そうだというのに、俺は目を離すことが出来なかった。
「⋯⋯あれ、こんな所に小道なんてあったっけ?」
体感10分ほどして、ようやく顔を上げれば、人1人がようやく通れるだろうかという程に小さな道が一つ、奥へ奥へと伸びている。
俺はベラドンナに導かれているような錯覚を感じ、小道の中へと足を踏み入れた。
⋯⋯どうせ、本当に小さな変化とはいえ今日は非日常に片足を突っ込んでいるのだ。
このまま、たまにはこんな日があっても良いだろう。
ベラドンナに足を掬われながらも小道を進んでいくと、終着点には小さな喫茶店が一つ、ポツンと佇んでいた。
せっかく来たのだし入ってみようかと思い扉を開けると、淹れたてだろうか⋯⋯珈琲の鈍い香りが鼻を掠め、風に流れて消えていく。
次に古びた木材の匂いが届き、珈琲の匂いと混じりあって何とも言えない良い香りが俺を覆った。
カウンター席の更に向こう側に、マスター⋯⋯にしてはやけに若い、和風なメイド服を着た白髪の女性が立っている。
「いらっしゃいませ。お好きな場所にお座り下さい。⋯⋯見ての通り、席はどこでも空いておりますので」
苦笑いの女性に促されるまま、カウンター席の端っこに座る。
その途中で店内へ一通り目を通してみると、なるほど確かにガランガランだ。
どこかボーッとした様子の女子高生が1人と、コーヒーカップへ鼻を近づけ、その香りを愉しんでいるご老人が1人⋯⋯お客さんと思われる人は、その2人だけだった。
とりあえず、珈琲を注文する。
待つこと10分、運ばれてきた珈琲は、普通に美味しくて⋯⋯何処か不思議な味がした。
何の変哲もない何時もの帰路を、何の気なしに歩く。
幾度も通った道だ。
目を閉じてでも家に辿り着く自信がある。
「⋯⋯花?」
何の変哲もない、ただの放課後。
⋯⋯そのはずだった。
少なくとも、たった今日までは。
たまたま目に入ったのは、よく見なければただの雑草と見間違えて、例え見間違え無くとも常人ならばそのまま素通りしてしも仕方の無いような、そんな存在感の薄い花だった。
だけどその花は、植物園等を除いてしまえば日本には自生していないはずの⋯⋯。
「ベラドンナ?」
その花の名前を呟き、思わず見入ってしまう。
薔薇やチューリップと比べてしまえば、いや比べるべくも無く地味な花のはずなのに⋯⋯実際そうだというのに、俺は目を離すことが出来なかった。
「⋯⋯あれ、こんな所に小道なんてあったっけ?」
体感10分ほどして、ようやく顔を上げれば、人1人がようやく通れるだろうかという程に小さな道が一つ、奥へ奥へと伸びている。
俺はベラドンナに導かれているような錯覚を感じ、小道の中へと足を踏み入れた。
⋯⋯どうせ、本当に小さな変化とはいえ今日は非日常に片足を突っ込んでいるのだ。
このまま、たまにはこんな日があっても良いだろう。
ベラドンナに足を掬われながらも小道を進んでいくと、終着点には小さな喫茶店が一つ、ポツンと佇んでいた。
せっかく来たのだし入ってみようかと思い扉を開けると、淹れたてだろうか⋯⋯珈琲の鈍い香りが鼻を掠め、風に流れて消えていく。
次に古びた木材の匂いが届き、珈琲の匂いと混じりあって何とも言えない良い香りが俺を覆った。
カウンター席の更に向こう側に、マスター⋯⋯にしてはやけに若い、和風なメイド服を着た白髪の女性が立っている。
「いらっしゃいませ。お好きな場所にお座り下さい。⋯⋯見ての通り、席はどこでも空いておりますので」
苦笑いの女性に促されるまま、カウンター席の端っこに座る。
その途中で店内へ一通り目を通してみると、なるほど確かにガランガランだ。
どこかボーッとした様子の女子高生が1人と、コーヒーカップへ鼻を近づけ、その香りを愉しんでいるご老人が1人⋯⋯お客さんと思われる人は、その2人だけだった。
とりあえず、珈琲を注文する。
待つこと10分、運ばれてきた珈琲は、普通に美味しくて⋯⋯何処か不思議な味がした。
チャプター
全8話
10,560文字
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