クローゼットを開けて、奥の2重板を外す。女装をする際、冬だと骨格を隠しやすくて大分可愛く盛れる。ありがたい。
薄手の長袖の上にニットのカーディガンを羽織り、下をロングスカートにする。今日は、可愛らしい雰囲気が良いから、色合いは優しくピンクとクリームっぽい白。
カーディガンが淡いピンクで、スカートが白だ。けど、大事なのは下にスパッツを履くこと。寒いもん。
風は強くないけど、風が強い日にはカジュアルに決めたり、格好いい系にすることもある。男子だってバレたくないし、万が一にも及川徹と結びつくようなヘマはしたくない。
最後に、軽くお化粧をする。黒いアイラインに、キラキラピンクのアイシャドウを乗せたらウィッグを被る。普段自身が癖毛なので、ウィッグはいつも直毛のものにしている。
今日は、自分の髪と同じで栗色のロングストレートヘア。なんだけど、ピンつけようかなー。それとも、ハーフアップにしようかな。
悩んでいると、ピロンっとLINEの通知が届いた。
「今日空いてるか?」と一言。岩ちゃん、だからモテないんだよー。素っ気ない!味気ない!
とりあえず、もうここまで準備してしまっているので今日は流石に岩ちゃんに会えない。そもそも誘うときは前日までにしてよね!?
「なになにー?及川さん今日用事あるけど、どうかしたのー?」っと。
多分、返事は返ってこないので、スマホの電源を切る。返信を送りながら、何となく今日は結わわず、ピンで触角を含まず後ろ髪だけ少し止めることにする。
鏡を見れば、納得いく仕上がりになっていた。本日の女装は、清楚系な女性だ。身長はスポーツしてて大きめだから、ロリ系は出来ないが、こういう落ち着いた雰囲気は出せるから、満足している。もともとロリが好きだったわけじゃないしね。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。