第3話

さん
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2025/04/24 14:00 更新
ふたくち
ども。
 あたたかいココアを買って「本当にありがとう。」と渡すと、一言頷き、顔を上げて目を合わせながら最後に尤もな声掛けをして背を向けた。
ふたくち
じゃ、帰りとか気をつけて下さい。
おと
おと
あっ、うん。
君も、遅い時間になるなら気をつけてねっ .ᐟ‪
 きっと、さっきの気をつけて、は同じようにナンパに遭わないように、という意味だったのだろう。けれど、帰り危ないのは男性も同じ。夜の通り魔や変質者、また、交通事故と危険はいっぱいだ。


 背中を向けて駅と反対方面に向かう二口くんは、もう家と近いのかもしれない。ココアをポケットに入れて、俺の言葉に応えるように片手を振っていた。案外、見た目以上に面倒見がいいタイプなのかもしれないと思った。
 二口くんを見送ってから、間近の自販機があった場所が意外に綺麗な景色なことに気がついた。自然だ。一口に宮城、といってもやはり大きな駅がある地域は都会って感じがするが、ここはそんな雰囲気を一変させて、豊かな緑と、涼しげな水が泳いでいた。
おと
おと
すご⋯
岩ちゃんに、今度写真見せてあげよっ .ᐟ‪.ᐟ‪
 カシャッ、と写真を何枚か撮る。次は岩ちゃんや猛も誘って思い出を増やしたいな、と思う。猛は生意気だけど、やっぱり可愛い甥っ子だから、色んなところに連れていき、記憶を楽しいものにしたいと思うのは必然だった。


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