第17話

いなくなったアイツ。4 💛受け
82
2023/04/27 09:00
しばゆーside



あぁ、また今日も始まる。




典型的に体育館裏に呼び出されボコられる日々。

自分の吐瀉物に吐き気がする日々。
しばゆー
ォ゛ェ、も…やめ、ッ、…



制止の声を聞くまでもなく間髪入れず打ち込まれる蹴り。



辛い。辛い。辛い。
モブ
いつも調子乗ってウザすぎんだけど
しばゆー
ふ、…ッびませ、オッ゛…
モブ
きったな。自分で処理しろよそれ。
モブ
あーてかw舐めて掃除しろよww
モブ
めっちゃいい案じゃん!りょうもいつもお前のこと汚ぇって言ってるし
躊躇ってしまった。ゲボを舐めるなんて有り得ない。




そう思ってしまった。
モブ
は?何嫌がってんの?
モブ
生意気なんだけど


そう言ってゲボの上に顔を押し付けられる。



こうなってしまっては終わりだ。舐めるしかない。



奴らは俺がゲボを舐めるまで蹴ってくる。


痛みも感じなくなった頃やっと解放される。
しばゆー
ヒッ…く゛、


バレないように声を押し殺して泣く。
どうしても5人にはバレたくなかった。
きっと今の俺の様子を知れば二度とりょうくんは俺をいじってこなくなるし



みんな俺に壁を作ると思ったから。

吐瀉物を処理し最近買ったファンデーションとやらで涙の痕を上手く消す。




この作業も慣れたものだ。
しばゆー
みんなの元に行かないと…。




そのままパタンと意識を手放した。






壁があるといいななんて思いながら身を任せた。

りょう
っぶな。なにしてんの。
りょうside

しばゆーがもう使われていない校舎で寝ていた。




いやいやなにしてんのとか色々あったはずなのに最近のこいつはやたら疲れているようで






いじった時のリアクションもそうだし、
何故か労わってやりたくなっている。






俺はしばゆーをいじるよりも前に
しばゆーのことが最高にすきだから。
しばゆーには元気でいて欲しい。
しばゆーの髪の毛をそっと毛並みにそって撫でる。
そんな時通りがかった奴がいた。
モブ
あ、りょう
りょう
お、よう。何しに来たの?
モブ
あー、やー別に?
モブ
用事あったんだけど確認できたから帰ろうと思ってたとこ。
りょう
ふーん。



モブ
じゃ。
りょう
うい



なにか焦ったように帰ったけど大して気にならなかった。




その前にしばゆーの方が気になった。



これがしばゆーが亡くなる1ヶ月前の話。






あー今思えばあれはそういうことだったんだ。と気づく。





俺は俺を憎んだ。

何がしばゆーのことを「好き」だ。
本当に好きならしばゆーの異変に気づけなかったの話なんでだよ。






そして、あいつの顔。
俺の脳裏に焼き付けられ二度と離れないであろうしばゆーをいじめたヤツ。
しばゆーをいじめていいのはおれだけだ。

心の底からしばゆーを返せ。そう願った。
りょう
ねぇ、俺犯人見たことあるわ








だからてつやの提案に大賛成だ。

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