前の話
一覧へ
次の話

第3話

一章 2
3
2026/05/30 00:53 更新
そんな訳でイベントが終わり、今あたしは疲れ切っていた。横を歩く結花もいつも通りの無口に戻っている。さっきまでは
結花
えー、もうりうりうめっちゃ格好良かった〜!!泣けるじゃん新曲。うん。ツー君のイメージが普段とイメチェンしててさ!あーでも、はるるんのタイプはまぁ君っしょ。どー?当たってるでしょ!
晴華
いや、あたしは…別にどーでも…
その後もしばらく衣装の細部やら、配信やらについて聞かされ続けた。2人が別れる、十字路まで歩いた。
晴華
じゃあまたね
コクコク頷く結花に小さく手を振って別れる。月が空にきれいに浮かぶ。
 その時スマホが耳障りな声を上げた。地震!?立っていられないほどの揺れが続く。街灯の明かりがぷっつんと切れ、スマホが喋らなくなった。揺れが止まったので状況を確認しようとスマホの電源を入れる。
晴華
…?
入らない。何度やっても結果は変わらない。これがあの永遠かに思えた、ネット隔離人生の始まりだったーーーー。
あの地震から3ヶ月が経ってもスマホは復旧しなかった。それどころかネットに接続していたものすべてが使えなかった。何があったのかわからないまま、避難所で寝泊まりをする生活に不安はつのるだけ。今結花は生きているのだろうか。一人で泣いていないだろうか。
心配することは山ほどあるが、手元で黙ったスマホが再び喋りだすことはない。星の瞬きがとてもうるさく感じた。
次の日も、また次の日も…

プリ小説オーディオドラマ