私がそう言った時、彼の眉毛がピクリと
ほんのわずかに動いた。
そして、正気か?とでも言わんばかりに私を
見つめたあと、フン、と鼻を鳴らした。
私、寝言でディオの名前を、??
しかも聞かれてた、???
めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど
ディオはそんな私の姿を見て
意地悪な笑みを浮かべたままだ。
そう言って少し不満そうにする彼を見て、
思わず笑みが浮かぶ。
その表情は、夢の中の彼と
全く一緒だった
ふと、昨日見た夢の記憶を手繰る。
最初は、普通にディオと話していた。
……でも、それは突然の事で
何の、前触れもなく起きたんだ
私は思わず、彼の手を少し強く握って
いたみたい。それに気づいた彼が、眉間に
皺を寄せ、不思議そうにしている。
ディオは私の言葉を聞いて、呆れたように
ため息をついたあと、そう言った。
私がそう言った時、彼の顔が表情が
少し変わった。
本当に嫌な夢だった。
ディオと、いつも通り話していたら
突然いなくなるんだ。私に、
なんの説明もしないで
でも、ただの夢だ。彼なら今隣にいる
そう思う気持ちとは裏腹に、彼の手を繋ぐ
私の手は、少し震えていた
そう言っていつもの皮肉な笑みを浮かべる
彼を見て、少し安心した。
だって、彼ってばいきなり黙って、
遠くを見つめだすんだ
そりゃ不安にもなるよ
彼は否定しきれないと言った表情で、
静かにそう言った。
その声には、どこか憎しみを込めている
ようにも聞こえた。そういえば、ディオには
血の繋がっていない兄弟がいるって言っていた。
その人と、関係があるのかな
彼の兄弟のことについて、知りたいと思った
でも私は、それだけを言って
軽く微笑んだ
そうすると彼はチラッと私の方を見て
すぐに視線を戻した
と言って、ほんの少しだけ微笑んだ
なんだか今日の彼は、私のことを見つめるか
どこか遠くを見つめるかをしている。
と言って、バカにするように苦笑い
をする。
私はそんな彼に微笑みを向けて、
口を開いた
そんなことを言いつつも、いつも
私とお話してくれる彼が、本当に好きだ
二人で話していたら、あっという間に
時間は過ぎていき……
私がそう言って手を振ると、彼はチラッと
私を見たあと、何も言わずに背を向け
軽く手を上げた
彼と話しているのは、本当に楽しくて
大好きだ
でも、私の頭の中には
昨日見た夢のことが、ずっと離れないでいた
私は昨日見た夢の中の彼にそう言い放って
自分の不安を、誤魔化そうとした
⇢ ページをめくる












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!