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第1話

Prologue
113
2026/02/22 03:23 更新


「 親友が死んだ。死因は私にはわからない。」


あれは2年生のいつだったか。親友の訃報を知った。
死因は誰に聞いても教えてくれなかった。肉親は皆口を硬く結んだまま首を振り、クラスメイトは口を揃えて知らないと言うばかり。
親友が隣に居ない喪失感を抱えたまま進級をした時。とある噂を小耳に挟んだ。
どうやら私の進級した3年■組に親友の死因を知っている生徒が居るらしい。
絶対に見つけ出して聞き出してやる。そして、親友の無念を晴らすのだ。




「 私は彼奴の死因を知っている。 」


……嗚呼、神よ。何故私に寄りにもよって親友ではなく彼奴の死因を知らせたのか。
同じく3年■組の■■■の親友であった彼奴は確かに死んだ。
そしてその死因は私だけが知っている。
隠し通さなくては。私と親友を守る為に。



私立迷ノ森中学校。
「迷」と「森」という字から根も葉もない都市伝説が後を絶たない。
彼処に行ったら自分の「なりすまし」と入れ替わってしまう、彼処に行ったら二度と帰ってこれない…
此等は全て噓である。
事実、迷森中学には生徒がきちんと通っている。
ただ1つの可笑しなクラスを除いて____


「 3年■組には近づくな 」
此れは入学当初から校長に言われ続けた言葉だ。
入学時、「3年■組」というクラスは使われておらず半分不良の溜まり場のような役だったが、3年生にもなって何と今年はその「3年■組」が使われるのだとか。
3年■組に振り分けられた理由。
それは誰も口にはしなかったが、3年■組の生徒は皆薄々気が付いていただろう。
此処に居る生徒は皆、親友を亡くした生徒だ、と。
そして、その死因は恐らくこのクラスの誰かが知っている…と。

…そう。この3年■組というのは訳アリクラス。
皆が親友を亡くし、皆が誰かの親友の死因を知っている。
しかし其れは誰かに伝えてはならない。この世には知らなくて良いことも有るのだ。
もしも、伝えてしまった場合は________…
…卒業迄に、親友の死因を突き詰めなくては。そうしないと彼■の死因は一生闇の中になってしまう。
死因を詰めることが正解なのか。其れは誰にも分からない。
それでも、私は彼■を知りたいのだ。
…彼奴の死因も隠しつつ、絶対に探りを入れてやる。


皆が被害者で、「プレイヤー」で、傍観者である。
欺き合いの救われないクラスへようこそ。


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