Kyosuke.
「.......はぁ.......」
口を開けばため息ばかり。
目の前に窓越しに広がる青い空は澄んでいて、どこまでも広い。
それと反比例するように、俺の気分は沈んだ。
なんでこんなことになってるんだろうなぁ。
ぼーっと、シャーペンを握る手と、無造作に開かれた数学の問題集を見つめる。
数字はぐちゃぐちゃ。
もともと頭なんてよくないけれど、字はここまで汚くなかったような気がする。
まあ、何もしなくても震えているような、頼りない手では書けないか。
昨日は調子良かったのにな。
ちゃんと書けたのに。
使ってもいないくせに、ペンを握っているだけで重労働だと訴えてくる俺の手を、自嘲気味に笑って。
.......悔しくなって、握り込んだ。
野球はできなくなった。
歌うこともできなくなって。
何も残っていない。
......まあ、残ったところで今更どうにもならないし。
胸に手を当てたら、とくとくと頼りない音がして。
ベッドで何もできずにいる自分が、
笑えるほどにみじめだった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!