気づいたら、空が真っ暗で。
周りには木しか見えなかった
そう無理な嘘をつく彼
…記憶が曖昧だ。
一緒に遊んで、歩いて帰って…??
そこは、崖だった
人気が全く無くて、でも町全体が綺麗に見えるところ。
ついさっき自殺の話をされて、流石にここにいるのは良くないと感じた
そう、微笑みながらジリジリと近づいてくる
光は崖の下にある夜の街からしか来ていなかったから、足元が見にくい。
腰辺りにひどく冷たい手が当たって、崖の近くへ引き寄せられる
あと2,3歩でも後ろに行ったら崖から落ちてしまう
大好きな人が目の前にいるはずなのに、恐怖しか感じない。
手を取られて、強く抱きしめられる。
逃げれないように。
そう言った瞬間、体がふわっと浮く感覚がした
きっと、もう助からない
その言葉だけが、やけに優しく頭の中で何度も何度も再生されていた
それを言った途端彼の顔は歪み、
グチャッという音とともに視線が真っ黒になった。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!