二人…主に鉄パイプ男にやられた彼らの怪我の具合を見た瞬間、蓮はまず正座をさせた。言うまでもなく、彼女は怒っていた
ピシャリと言い放った幼稚な罵倒にも、蘭は一切動じなかった。その言葉に、蓮はぐっと顔を顰めた
彼女はずっと気が気では無かった
もしあの時、嫌な予感がしていなかったら、三人はどうなっていたのか。たまたま蘭たちがこの場所を把握していなければ、三人は助けられなかったのではないのか。誘拐犯一人を追うのではなく、自分も早く彼らと合流していれば、こんな怪我を負うことは無かったのではないのか
帽子の影になって見えないが、震えるその声を聞いて、彼女の心情を察しない者など居なかった
現に、蘭は罰の悪い顔をしていた
そこへ、今回の救出作戦には外部として参加していた四人がやってきた。勿論、警察や救急には連絡済みである
いつも通りマイペースな彼らの様子に、ようやく日常が戻ってきたような感覚がした
それに感化されたのか、先程よりも幾許か落ち着いた蓮は、素早く次の指示を下してみせた
自分たちの総長が、責任を負うことを拒否した。それなら、彼女たちがこれ以上追及するわけにはいかない。そのため、今回は礼を言って引き下がった
辺りを赤く染める光とサイレンが、この非日常に終止符を打った






















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。