彼の手と私の耳が触れ合った感覚がまだ残っている
人混みの中、彼の反対方向に走ってきたものだから彼を見失ってしまった
背が小さい私は人混みに紛れてしまうとどこにいるのか分からなくなる
だから、私が彼を探さないと、
涙目になりながら、探し始めた
一時間後
一時間探しても見つからない彼
彼だけではなく、きゅーちゃんもめいしーも見当たらない
置いていかれたのか、そんな考えが私ももっと刺激した
自分がいじけて起きたことなのに
自分が情けない
そんな情けない私を誰が探し出してくれるんだよ
「、あなた、!!」
落ちた考えをしていると、大好きな大好きな声が聞こえた
人混みのせいで、どこから話しかけられてるのか分からない
ぎゅっと手首を引っ張られて、後ろに押し寄せられた
押し寄せられた先にあったのは背が高いけど、華奢な彼の身体
抱きついてみると少しびっくりした彼が
素っ気ないわけでもなく、優しいわけでもない言葉を私に言った
手を繋ぎながら、また屋台を回りに行った
番外編??












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!