コンコン
ドアをノックする音が聞こえて入ってきたのは…
想像していなかった人が入ってきて、びっくりしてすごい勢いで起き上がる。
その勢いでベッドに置いていたものがバタバタと崩れ落ちた。
そう言って大樹くんは床に落ちてしまったのものを拾ってくれる。
大樹くんが部屋に来たことで私は動揺してしまっていた。
そんな様子を見て笑う大樹くん。でもどこか目は寂しそうで。
急に真剣な顔をして頭を下げる大樹くん。
なんで謝っているのか分からず、私はあたふたしてしまった。
『大樹なんて特に』
そういえば、いつか結蘭くんがそう言っていた。
私の前で話す大樹くんは全然キラキラしていなくて、むしろ苦しそうだった。
1位で、リーダーで、重圧はきっとすごいだろう。
私には想像できないくらいに。
気づいたら私は大樹くんの頭を撫でていた。
何か大きなものを抱えているようで私にもそれを教えて欲しかった。
いつもみんなの前では笑顔で、明るい大樹くん。
でも私の前で冷たかった。
__その奥でずっと苦しそうだった。
私がそう言うと大樹くんは驚いた顔をした後、顔を隠した。
声をかけながら顔を覗くと、大樹くんは涙を流していた。
そう言って涙を流しながら笑う大樹くん。
初めて見たキラキラした笑顔で。
この子はきっとすごいアイドルになる、そんな気がした。
私はその1歩に携えてるんだ、改めて嬉しい気持ちになる。
私が大声でそういうとまた笑う大樹くん。
絶対にない。
私はちゃんとみんなのことを応援するんだから。
その後オーディションの話やデビューの話をしてくれて、初めて大樹くんの素が見れた気がした。
最後はお大事にってスイーツを渡してくれて、大樹くんと仲良くなることなんか無いんじゃないかって思ってたからすごく嬉しかった。
やっぱり睡眠がいちばんの薬!!
起きた時にもう体は軽くて、熱も36.8まで下がっていた。
私の一言にみんなが笑う。
仕事に穴を開けてしまった分、今日はしっかり働こう!
いつも通り大樹くんの部屋に行き起こしに行く。
康祐くんが体調悪くなったり私が体調悪くなったり、なんか色々あったけど、嬉しいこともたくさんあった。
すごく気持ちは晴れていて、朝から元気な私を見て、大樹くんは少しうんざりしていた。
今日は何があるんだろう。すごく楽しみ!


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。