戦いは激しくなっていく一方だった。
化け物は確かに強い。
けれど、全員でかかれば倒せないほどでもない。
化け物は基本的にほとけに向かって攻撃を仕掛けている。
りうらやないこ、Ifが攻撃をしていてもほとけに向かう。
そう騒ぎながらも化け物に着実にダメージを蓄積させていく。
化け物の動きも遅くなり、弱っていく。
間をすり抜けた化け物の斬撃がほとけに命中しそうになる。
三人もほとけと少し離れた場所にいるためあと数秒で守りに行くのは現実的ではない。
そんなとき、
おどけた調子でほとけの前に現れ、斬撃を弾く初兎。
そして…
一瞬動きが止まった化け物に、悠佑の手加減なしの拳が叩き込まれる。
今までの戦いで弱っていた化け物の身体に風穴を開けるには充分な威力だった。
穴が開いた化け物はそのまま崩れ去って行った。
そう言われ、出てきたのは一人の人物だった。
中性的な見た目をしており、性別はわからない。
古びた洋館の使用人のような服を纏っていた。
小柄で、とても危険人物には見えなかった。
丁寧そうな服装とは裏腹に言葉遣いは少し荒い。
状況が呑み込めていないメンバーをよそにIfは鋭い目で喰呪と呼ぶ人物を見る。
喰呪はイライラしたように手を出す。
Ifがいきなりナイフを取り出すと、自らの手の甲に突き刺した。
喰呪の手にはIfと全く同じ傷がついていた。
二人の傷は同時に、一瞬にして治った。
喰呪は傷があった手の甲をさする。
「悪いのは召喚者様」
その言葉をIfは否定しなかった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。