第2話

醜い感情
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2026/05/05 13:06 更新
あなた「一目惚れってそんな…」

ゆあんくんはまだ上の空で私の呟きなんて耳にすら入っていないようだ


ゆあん「やば…可愛い……一緒のクラスだといいな…」
…ちょっと、期待してた
 
ゆあんくんは中学でもモテモテだったけどいつでも私を優先してくれた

だから、他の女の子よりも私のこと特別に思ってくれてるって……でも、私が自惚れてたみたい


実際、たった今ゆあんくんには好きな人ができて…これが漫画の世界だったら私は主人公をずっと想っている負けヒロインポジ


ゆあん「ね、早くクラス分け表見に行こうよ!」

私の腕をぐいっと引っ張ってゆあんくんは走り始めた


あなた「わ、ちょ…!!」

コケそうになりながらもなんとか体勢を取り戻してゆあんくんについていった






…あの子とゆあんくんが同じクラスじゃありませんように
最悪


まさかフラグ回収するなんて

しかもゆあんくんとゆあんくんの一目惚れ相手はゆあんと隣らしい



鮎先小花あゆさきこはなさん

目を惹くサラサラのストレートロングにくりっとしたかわいらしい目。唇はほんのりピンクで色白だからクラスの中でもかなり目立っている



かわいい。悔しい。


ゆあんくんだって目を惹くイケメンだからあそこだけ全く別世界のようだ


るな「…あれがゆあんくんの一目惚れ相手ですか?」

同じ中学校出身でマブであるるなが私の席の近くに来て耳打ちした


あなた「そうみたい…勝ち目が無いくらいかわいくて…」


鮎先さんは癒し系って顔しているけど、どちらかといえば私はきつい顔立ちでつり目にしゅっとした顎で全体的にシャープな感じがある

は~…今まで羨ましいって言われていたこの顔立ちが今ではなんだかちょっと嫌かも





いや、別にゆあんくんが顔で人を選んでいるわけじゃないことくらい分かるよ?でも一目惚れって容姿から入るじゃん?

私の顔は全くタイプと別だった…ってわけね(泣)


るな「るなはいつでもあなたちゃんの見方です!」
あなた「るなぁ…ありがとね」


ほんとにるなはなんていい子なんだろう
ゆあん「でさ!鮎先さんマジでかわいいの!連絡先も交換しちゃった~」

ゆあんくんはさっきから私が見たこともない幸せそうな表情で鮎先さんのことを永遠と語っている





…こっちの気も知らないで

ゆあんくんがあの子の話をするたびに私の心には鋭いトゲが容赦なく刺さる


私の方が……


醜くて汚い感情が私の心にゆっくりと侵食してくる感触がした

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