〜あーるん。said〜
先日の墓参りから数日後、
俺は周りを見ながら過ごしている。
しかし、今まで気になる人というのがいなかったため気になるという感情が分からなかった。
そんな中生徒会の集まりが行われた。
そう思いながら会議室へ向かった。
ぽちに言われて気づいたがあなたさんは元気がなく、元から痩せ気味だった体が痩せ細っていて、今すぐ倒れそうだった。
生徒会会議が終わり、
あなたさんが心配になったため、声をかけにいった。
あなたさんはまるで呼んだのが聞こえていないかのようにそのまま俺の前を通って行った。
あなたさんは俺が呼んだと気づくと泣き出しそうになり、走り去っていった。
俺はそのとき何を思ったのか、
その姿が美しく見えた。
〜あなたsaid〜
あーるん。先輩から声をかけられた。
今までの私だったら、先輩の元に駆け寄っていたであろう。
でも、今の私はそんなことを考えられず、走って逃げてしまった。
多分心配して声をかけたのであろう。
でも、私にも逃げてしまった理由があるのだ。
先輩が私を見ていないことに気づいたとき、私は
『先輩の迷惑になっているのでは?』
と思ってしまった。
そこから私は先輩との距離を置いて、毎日先輩に会いに行っていたのを行かないようにして、極力先輩と距離を置いた。
会いに行かなくなってから、体にも精神にも影響があった。
今までいつも一緒にいたため急に会わなくなり『会いたい』という感情が日に日に増えていった。
しかし、迷惑になると考えると足が震え先輩の元に行けなくなる。
そのため気力が出ず、何をしてもだるくふらふらしている。
食欲も無くなり、ご飯を食べなくなって体重が5キロほど落ち、見た目も痩せ細り、骨が見えるようになった。
だから、もう関わるのを辞めようとしていたところで声をかけられたのだ。
申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら走って逃げてしまった。
いつか、今までのように先輩と喋れるのかな?
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!