ピピピ..........
目覚ましの音で目が覚める。
んーっと体を伸ばし、カーテンを開けると朝日が差し込んだ。
雲ひとつない秋晴れの空。
こんな日はのんびり散歩でもして、お気に入りのカフェに行こう。
AM6:00
顔を洗い、すっきりした頭で机に向かう。
いつの日からか、土曜日の朝のルーティンになったのは、
あるラジオ番組へのファンレターを書くこと。
仕事がうまくいかず、なかなか寝付けない夜にふとつけたラジオ。
聞こえてきた声に耳を、心を、ぎゅっと掴まれた。
心の奥に響く心地よい低音。
一瞬でわたしはこの声のファンになった。
顔出しをしていなくて、知っているのはパーソナリティーのFelixさんという名前だけ。
落ち着いた話し方をするから、年上なのかなあと勝手な想像をしていたけれど、この前は漫画やアニメの話をとても楽しそうにしていて、これはもしや同世代?もしくは年下なのかも?と思い始めた。
自分の趣味の話をするときには、少年のようにとても楽しそうで、家族や友人の話をするときには、愛情が伝わってくるようなとても優しい話し方をする。
イヤホンをつけてFelixさんのラジオを聴くあの時間が
今のわたしには何より幸せな時間。
ラジオの中でリスナーに電話をかけて、悩み相談に乗るというコーナーがある。
一度でいいからあの声でわたしの名前を呼んでほしいな……
なんて思いながら何通ものファンレターを書いたけれど、金曜
日の夜にスマホが鳴ることはまだない。
それでもいつか、と今日も書いた。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。