私は、自分の個性のせいで片思いを何度もあきらめてきた。見ないことも出来たのだが、どうしても私と繋がっていないかと期待して、どうしても見てしまうのだ。
そして今も、年がひとつ上の緑谷先輩に片思いの恋をしている。
私は雄英体育祭をテレビで見て、ぼろぼろの緑谷先輩の姿に、何か惹かれるものを感じ、導かれるように雄英に入学した。
入学後、その目で緑谷先輩を見るとあの時より堂々と、そして強くなっている。更に、課題を職員室に持って行っている時、ノートを床に散らばらせてしまうという、あるあるなシチュエーション。そこで、たまたま通りかかった先輩は、「大丈夫?こうなっちゃうよね〜」とにこにこしながら対応してくれた。ベタすぎるこの場面に、この先輩の行動と言葉で、ときめかないわけがなかった。
それから、私は先輩を見つけるたびに目で追うようになり、好きだという想いを自覚したのだった。
こんな先輩であるのだから、好きな子もきっと少なくはないだろう。当て馬の片思いになる。そう分かっていても好きな気持ちは簡単にやめられなかった。
この片想いを自覚してから1年と少し。想いを伝えようか迷いに迷ったが、卒業も近づいて来た。もし、緑谷先輩なら。そう考えた時に私は想いを伝えることにした。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!