第6話

No.5《私はこの羽が嫌いで》
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2024/06/30 02:12
なんかレミィ病んじゃうかも?
私は  この   羽が   大っ嫌い   だ
レミリア・スカーレット
フランのように輝いて、綺麗で、一目惚れする…そんなクリスタルの特別な羽じゃない
コウモリーーー
コウモリの羽は、大きくて、面が広いだけ…………
正直、この羽は邪魔だ
フランのあのクリスタルは魔法石ーーー所謂いわゆる魔力調節石みたいな物だ
あそこに魔力が込められているからあの羽は輝いているんだ
…何故、フランだけがクリスタルの羽なのか?
咲夜も言ってた「龍」
フランは、見た目や能力、性能はほぼ《龍》だ
そんなことは置いておく
フランの能力をご存知あるか?
《ありとあらゆるモノを破壊する程度の能力》
程度、って言葉で収まりきらないくらい強く、強力な能力だ
暴走もした
一方姉の私は《運命を操る程度の能力》
名前負けだ
ほんの数秒先、頑張ったとしてもぼやけて本当かわからない
運命を司る姉と、全てを破壊し尽くす妹…………
私の方が《地味》
《運命》ーーーこの言葉はかっこいい
だがそれは…………私には似合っていない
ずぅっと思ってた
何で妹の方が強いのだろう、と
私はその時《運命を操る能力にはまだ隠された能力があるのかも》そう思った
咲夜だって、傷が回復してきた時気になる方・見てない方は前回のお話へ気づいてたんだもん
時を操るのは空間に干渉するのと同じ、っていう定義で《空間を操る能力》が開花したし。
フランも《魔法少女》だもん
出来ると思って探した
結果…………ーーーーーなかった
私だけ?
ーーーーー私だけ出来損ないなの?
パチェも美鈴もこあも皆出来るのに、フランも咲夜も出来るのに
なんで当主の私ができないの?
おかしいでしょ…?
レミリア・スカーレット
そっか、私は《出来ない子》だからか
レミリア・スカーレット
未熟者だからか、吸血鬼として活動できてないからか
今思えば私とフランは性格が真反対だった
私は昼でも活発に外を出歩いていた
傘で日光を避けれることができるのを知ったから
それに比べてフランはそのことを教えても一向に外に出ようとしなかった
ずっと地下に閉じこもっていた
フランの方が吸血鬼っぽかった
私は羽の生えた《なにか》だった
ドラキュラにはなれない、ヴァンパイアにもなれない、吸血鬼にもなれない
私は何だ?
フランはずっと日光から逃げてたから吸血鬼としての能力が上がって
魔法少女になったんじゃないか?
あり得る話
私はもっと…………もっと、吸血鬼らしくいなくちゃいけない
吸血鬼、っぽいこと…………
紅ーーーー
紅い霧…………
レミリア・スカーレット
紅い霧だっ!
あれで人間たちを困惑させるんだよ、これこそが吸血鬼夜の王
紅色の吸血鬼
私が私の羽を好きになるためにーーー

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