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第3話

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2026/02/15 05:57 更新




広場のようなところを少し進んでいくと、この施設全体が見える地図があり、その奥にゴンドラ乗り場のような場所が見えた。


地図の上には「TheThemePark」と書いてある。




wato
wato
テーマパーク…ここって遊園地?


aiku
そのようですね。確かにそれらしい雰囲気はありましたが




???
こんにちは




突然、俺らが会話していると後ろからそう声をかけられる。
アイクさんはびっくりしたらしく「わぁ」と控えめな悲鳴をあげた。


それを見た、女性に見えるその人はくすくすと笑う




???
すまないね、
驚かせるつもりはなかったんだけど
???
…おっと失礼。
Leto
ぼくはレト。このテーマパークの創設者さ。
こう見えても男なんだよ




顔が整っているから女性に見えただけで、
確かに服装は男ものだ。




wato
wato
創設者…?
つまりお前が俺らをここに連れてきたと?


Leto
……違うね。ぼくは君達を呼んではいない
Leto
君達が勝手に来たんだ……、いや、連れてこられたってのが正しいのかな


wato
wato
何が言いたいのかさっぱり分からん…


aiku
…自分もです


Leto
…はは、無理もないさ。
君達は『こちら側』の人間じゃないからね
Leto
でも…ちょうどいい。
君達は望んでここに来たわけじゃない…。
しかも、君達〝奪われてる〟ね


aiku
……奪われてる…?


Leto
……ま、今は知らなくてもいいさ
Leto
兎に角、君達も知っているだろう?
このテーマパークは今閉園している




俺は受付にあったCLOSEDの看板を思い出す。

それだけじゃない、あのアーチの両脇にあったボロボロのマスコットキャラクター…それに、このテーマパーク全体的に薄汚れている。


確かに、このままではテーマパークとしての役割は果たせないだろう。




Leto
そうさ、ご覧の通り、人を呼べるような環境ではない…故に、君達にこのテーマパークを蘇らせてもらいたい


aiku
え…


wato
wato
はぁ?
wato
wato
無理やっちゃろ、こんなに廃れとるんやもん


Leto
さぁてねぇ、ぼくもそんなに君達に期待しているわけじゃない。


wato
wato
だったらなんで


Leto
言ったろ?君達はここに連れてこられた。
……帰りたいだろ?元の世界に


aiku
はい、でも…自分の帰る場所が分からないんですよ…


Leto
…そうだったね。……でも安心しなよ、その力は不完全だ。あまりにも安定していない。
大きな感情を抱え込んだ故の弊害か。
Leto
すぐにボロが出るさ。多分、君達じゃなくてこっち側に負担をかけようとしているみたいだけど、まだまだだね


wato
wato
……なんの話やろ…


aiku
さぁ…




Leto
取り敢えず、ここを蘇らせてくれたら、
元の場所に返してあげるよ。




aiku
……まぁ、帰れるのなら…?




アイクさんのその言葉に、俺も頷く。
それを見たレトはニヤリと笑った。




Leto
…はは、決まったね。取り敢えずしっかり働いて貰うよ。ぼくに出来ることはこのゴンドラを動かせることだけ。




レトがパチンッと指を鳴らすと、ゴンドラ乗り場にゴンドラがやってくる。着いた途端にゴンドラの扉が開いた。



その途端、レトは「任せたよ」とだけ言ってフッと音もなく消えた。




……消えた…?何がどうなってるんだ…

でもまぁ、どの道やるしか無いのであろう。




wato
wato
行こう、アイクさん


aiku
そうですね




ゴンドラには二人用の座席が向かい合わせに二つある。どうやら四人乗りのようだ。

俺達はゴンドラに向かい合わせで座る。…と、扉が閉まり、ガコン、という音がしたかと思うと動き出した。
途中、ガタンガタンと音を立てて大きく揺れる。
その度に落ちやしないかとヒヤヒヤした。




aiku
……どうなっちゃうんでしょうね、




アイクさんがぽつりとそう呟いた。
確かに、俺も不安だ。自分の帰る場所も分からん、唯一事情知ってそうな奴も言ってる意味が分からんし、人間離れした力を持ってる。

頼りになるのは、自分と同じ状況であるアイクさんだけ。
きっとアイクさんもそれは同じなんだろう




wato
wato
さぁな…でもま、やっとったらなんか分かってくるんやない?知らんけど


aiku
……そうですね




俺は不安をかき消すように、ただ外の景色を眺めていた。









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