第3話

俺のせいだッ!💜
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2022/09/02 12:51 更新
ななもり
ななもり
……あぁ、。
勇 イサム
勇 イサム
どーした?
ななもり
ななもり
いや、楽しみだなって。
勇 イサム
勇 イサム
そーだな。
勇 イサム
勇 イサム
勝とうぜ、?
ななもり
ななもり
もちろんさ!




 俺はななもり。

 今は中学2年生だけど、当時は一年生だった。



 野球部で県一位を獲得した。

 変化球やスピードのある俺の投球が
 評価されて、レギュラーになった。



 結構野球の強い学校で、一年生が選抜に
 なるには、相当上手くないといけない。




 三年の人にはベンチの人もいて、。
 そもそも、ベンチに入らない人もいて、
 でも、俺の方が強かったから。


 完全実力派のこの学校では俺が上だった。




 
先輩
ななもり!
ななもり
ななもり
先輩?
先輩
もっと投げとけ!
先輩
明日、全国だろ?
ななもり
ななもり
え、でも、先生には…
先輩
もっと投げろよ!俺らの分も!
ななもり
ななもり
は、はい!
ななもり
ななもり
わかりました!
先輩
ななもり、ラスト100球!
ななもり
ななもり
え、そんなに…
先輩
はやく!
ななもり
ななもり
はい!



 結局、100球投げた。



 練習の後の100球だったし、きつかった。




 全国当日。
勇 イサム
勇 イサム
なーくん、調子どう?
ななもり
ななもり
んー、まぁまぁ。
 
 勇はもう1人の一年レギュラーメンバー。


 勇はキャッチャーで、俺のボールを開けてくれる。


 
ななもり
ななもり
キャッチボールしよ?
勇 イサム
勇 イサム
おけー


ななもり
ななもり
いたッ
勇 イサム
勇 イサム
どーした?
ななもり
ななもり
なんでもない!



 多少の痛みはあったけど、気にせず投げた。









 試合開始。





 20球投げたぐらいから痛みが半端じゃ無かった。
ななもり
ななもり
ッ…



勇 イサム
勇 イサム
おい、大丈夫か?
ななもり
ななもり
あ、あぁ…平気。
勇 イサム
勇 イサム
ピッチャーの替えの先輩は熱で来れてない。
勇 イサム
勇 イサム
この試合、絶対勝つぞ。
ななもり
ななもり
わかった、もちろんさ。




 投げて、投げて、投げまくった。



 痛かった。


 やめたかった。


 投げたくなかった。




 でも、無理矢理にも動かして、投げ続けた。







 試合は勝利。


 それからも何度も試合をした。





 投げまくって、勝った。




 『無敵のセブン』なんて、ダサい異名もついた。




 全国決勝。



 これに勝てば全国優勝。






 勝つしかなかった。


 勝つ以外の選択肢なんて無かった。

 休むなんて、選択肢無かった。
ななもり
ななもり
投げよう。
勇 イサム
勇 イサム
あぁ、もちろんだ。





 投げて、投げて、投げて…



 痛みは強くなっていくばかり。




 でも、仕方ない。





 試合はここからだ。





 【四番  あいう せいあ くん。】
勇 イサム
勇 イサム
《打たれても仕方ない。》
ななもり
ななもり
ッ…
勇 イサム
勇 イサム
《スライダー》



 勇からスライダーの指示が出た。





 今、二塁と三塁に人がいる。


 ツーアウト。





 ここで、やる。




 未だ0-0。



 勝つためには、ここでの失点は許されない。



 めいいっぱい投げた。



 そして、打たれた。



 バットで跳ね返されたボールは俺の肩を

 目掛けて飛んできた。



 俺は俺を庇いきれずに、そのまま。





勇 イサム
勇 イサム
なーくん!
ななもり
ななもり
ゔぅ…あぁッ




 痛くて、立っていられなかった。






 



 診断は複雑骨折。



 プラスして、もう壊れかけだったらしい。

 もう、前の様に投げれない。


 なんて、 w




 それどころか、肩を使った過度な運動は
 できない。



 

 もう、野球なんて、できない。
勇 イサム
勇 イサム
なーくん…
ななもり
ななもり
勇…
ななもり
ななもり
試合の結果は…?
勇 イサム
勇 イサム
負けたよ。
勇 イサム
勇 イサム
でも、準優勝だ。
ななもり
ななもり
準…




 頑張ったんだ。


 なのに、2位だった。






 先輩にも申し訳なくて。


 野球が2度とできないのが、悔しくて。


 
勇 イサム
勇 イサム
まぁ、来年頑張ろうぜ?
ななもり
ななもり
…もう、来年なんて、ない。
勇 イサム
勇 イサム
そりゃ、先輩はそうだけどさ?
勇 イサム
勇 イサム
あの人たちは高校でするって言ってるし…
ななもり
ななもり
違うッ
勇 イサム
勇 イサム
どうした?おかしいぞ?
ななもり
ななもり
もう、野球はやめる。
勇 イサム
勇 イサム
なんでッ
ななもり
ななもり
もう、無理なんだ…
勇 イサム
勇 イサム
そんなに、厳しいのか?怪我…
ななもり
ななもり
あぁ、だから、もう辞める。







ななもり
ななもり
はぁ…





 



 

 野球なんて…
ジェル
ジェル
なーくん?
ななもり
ななもり
あ、ジェルくん…
ジェル
ジェル
そんな暗い顔して、どないしたん?
ななもり
ななもり
…なんでも、ないよ!ニコッ
ジェル
ジェル
俺にまで、作り笑いするんか?
ななもり
ななもり
ジェルくんにも、するよ…そりゃ。
ジェル
ジェル
…どして?
ジェル
ジェル
兄弟だよ。
ななもり
ななもり
関係ないよ、
ジェル
ジェル
あるよ、
ななもり
ななもり
ないって。
ジェル
ジェル
野球、好きなんやな
ななもり
ななもり
…何がわかるの?
ななもり
ななもり
部活、なにもしてないくせに。
ジェル
ジェル
そーやな。部活はしてへんから分からんけど…
ななもり
ななもり
勉強ばっかして、何になるの?
ななもり
ななもり
何がわかるの?
ジェル
ジェル
そっか。
ななもり
ななもり
わからない!
ななもり
ななもり
俺は部活にかけてきたのに!
ななもり
ななもり
部活するために、勉強だってしたのに!
ななもり
ななもり
部活してないあんたに、何がわかるんだよ!
ジェル
ジェル
…ニコッ
ななもり
ななもり
何笑ってんだよ…
ジェル
ジェル
いやぁ、ありがとう。
ななもり
ななもり
は?
ジェル
ジェル
本性、明かしてくれたやん?
ジェル
ジェル
俺は嬉しいで。
ななもり
ななもり
うるっさいな!
ななもり
ななもり
あんたに何が分かるんだよ!




 ー!


 〔手元にあったハサミが飛ぶ〕
ジェル
ジェル
いッ…。
ななもり
ななもり
あんたに、俺のなにがッ





ななもり
ななもり
えッ
ジェル
ジェル
あははっ、そーやな。
ジェル
ジェル
部活、頑張っとったもんな。
ジェル
ジェル
辛いよな…ごめんな。
ジェル
ジェル
代わってあげられなくて、ごめん。



ななもり
ななもり
ジェルくんッ


ジェル
ジェル
でもな、野球はまだできるで?
ジェル
ジェル
サウスポー!
ジェル
ジェル
左で頑張ってみん??
ジェル
ジェル
野球がこんなにも好きな、なーくんだからこそ。
ジェル
ジェル
まだ、諦めなくていいよ。



ななもり
ななもり
ジェルくんっ、そんなことじゃッ!



ジェル
ジェル
なーくんは、なーくんや。
ジェル
ジェル
諦める必要なんて、ないんや。
ジェル
ジェル
なーくんは、なーくんらしく!
ジェル
ジェル
それが1番や!





さとみ
さとみ
ジェル?
ななもり
ななもり
さとッ
さとみ
さとみ
おい!ジェル!?


さとみ
さとみ
おまえっ、大丈夫か?!




 ジェルくんは、俺が投げたハサミが刺さっていて。










さとみ
さとみ
目がッ
ジェル
ジェル
あははっ、大丈夫大丈夫…!
るぅと
るぅと
え?!
ころん
ころん
ジェ、ジェルくん!?
莉犬
莉犬
え!え?!
莉犬
莉犬
どしたの?!



 スーパーから帰って来たみんなが、
 ジェルくんにかけよる。



るぅと
るぅと
きゅ、救急車!







 あぁ、
ななもり
ななもり
なんてことッ










 なんてこと、してしまったのだろう。








るぅと
るぅと
…なーくん?
ななもり
ななもり
俺ッ
るぅと
るぅと
先生のお話、一緒に聞きましょう。
ななもり
ななもり
う、ん。



先生
えー、ジェルくんのご兄弟様で間違いないですね?
るぅと
るぅと
はい。
ななもり
ななもり
先生
えぇ、それでは説明を始めますが…
るぅと
るぅと
どう、ですか?
先生
見た目は大丈夫です。
先生
1、2年ほどは傷が目立ちますが、あまり気にならないぐらいです。
るぅと
るぅと
あ、そうですか。
るぅと
るぅと
よかったぁ、、。
先生
ですが、まぁ、ほぼ失明ですね。
先生
なにも見えないと思います。
るぅと
るぅと
メガネとかは、…?
先生
そんなレベルではありません。
先生
そもそも、見えないんですから…
るぅと
るぅと
そう、ですか…
先生
今回のは、兄弟喧嘩という認識で大丈夫ですか?
るぅと
るぅと
なーくん、
ななもり
ななもり
大丈夫、です…
先生
では、ジェルさんの元へ行ってあげてください。
るぅと
るぅと
はい、ありがとうございました。






るぅと
るぅと
…ジェルくん?
ジェル
ジェル
あ、るぅと!
るぅと
るぅと
どうも、
ななもり
ななもり
……。
ジェル
ジェル
あ!なーくんも!
るぅと
るぅと
調子はどうですか?
ジェル
ジェル
んー、まぁ、別に普通?
るぅと
るぅと
そりゃ、よかったです。
ジェル
ジェル
なーくん、そんな暗い顔せんでや w
ななもり
ななもり
いや、、だって…
るぅと
るぅと
なーくん。
ななもり
ななもり
…。
るぅと
るぅと
言わないと、、でしょ?
ななもり
ななもり
ごめんなさい、。
ジェル
ジェル
ええで!ヨシヨシ
るぅと
るぅと
事情は?
ななもり
ななもり
…俺、野球もう出来なくて。
ななもり
ななもり
それで、八つ当たりしてッ
るぅと
るぅと
はぁ、人に当たるなんて、最低ですね。
ななもり
ななもり
……。
るぅと
るぅと
ハサミを投げたら行けないなんて、わかりきってる事ですよね?
ななもり
ななもり
……はい。
るぅと
るぅと
じゃあ、なんでこんな事するの?
ジェル
ジェル
ちょ、るぅと…
るぅと
るぅと
なんですか?
ジェル
ジェル
キツすぎん?
るぅと
るぅと
そんな事はありません。
るぅと
るぅと
第一、キツく言うべきです。
ジェル
ジェル
でも…
るぅと
るぅと
片目失明。これ、どう言う事かわかりますか?
るぅと
るぅと
謝っても許されないことなんです。
るぅと
るぅと
失明したら、もう、ダメなんです。
るぅと
るぅと
なーくんが、ジェルくんの人生ぶっ壊したって言っても過言じゃありません。
ジェル
ジェル
でも、生きていけるしッ
るぅと
るぅと
生きていけるかどうかは、別です。
るぅと
るぅと
なーくんがした事は許されないこと。
るぅと
るぅと
もう、過去には戻れないこと。
るぅと
るぅと
償いきれないこと。
るぅと
るぅと
ちゃんと、理解して、胸に刻んでください。
るぅと
るぅと
もう、2度と傷付けないでください。
ななもり
ななもり
ごめんなさい…


 るぅとくんの言う事は正しい。



 俺がした事は許されなくて。

 償えなくて。















 あぁ、ごめんなさい。


 ごめんなさい。ごめんなさい。


ななもり
ななもり
ごめんなさいッ…













 俺は、決意した。


 こんな俺は必要ないから。

 みんなといたら、迷惑だから…。








ななもり
ななもり
『死のう』













 こんなことしたんだ。



 生きたくない。




 せめて、これぐらいは…。




 償わなきゃね。

 たとえ、償いきれなくても。














 自室に戻った。




 さぁ、首吊りしよう。




 ロープ用意して。

 椅子用意して。








 よし、死のう。







 あ、手紙書こう。



 ジェルくんへ。

 ジェルくん、本当にごめんなさい。
 許されないことをしました。
 ジェルくんが差し伸べてくれた手を、心を
 振り払ってしまいました。
 手を差し伸べてくれたこと、
 心から、本当に嬉しかったです、ありがとう。
 

 俺が犯してしまったこと、償いきれないけど、
 せめて、これぐらいはさせてください。

ななもり
ななもり
………。



 泣き疲れて、クラクラする。


 眠たい…。
ななもり
ななもり
少し、寝よぅ…






ころん
ころん
なぁ…くん?





ななもり
ななもり
…?!
ころん
ころん
な、に、しようとして…
ななもり
ななもり
ほっといて。あっち、、行ってて。
ころん
ころん
なぁくん!ダメだよ!
ななもり
ななもり
いいからあっち行けって!
ころん
ころん
ビクッ
ななもり
ななもり
もう、ほっといてくれよ…





ころん
ころん
ほっとかない。



ころん
ころん
僕はほっとかない!
ころん
ころん
るぅとくんも、さとみくんも、莉犬くんも、ジェルくんも。
ころん
ころん
ほっとかない!
ころん
ころん
みんな、ほっとかないから!
ななもり
ななもり
…ッ!
ころん
ころん
だから!こんなこと、やめてよ!



 ころんが、俺の袖を強く引く。


 でも、鍛え抜かれた俺のフィジカルには
 勝てなくて。









 あぁ、こんなにも小さくて無力なのに、
 俺を助けようとしてくれるんだな。






ななもり
ななもり
あ"ぁぁぁあ!
ななもり
ななもり
ゔっ…グズッ




 涙が溢れて来て。



 泣いて。泣いて。泣いた。








 笑う暇なんて、無くて。


 そんな余裕なんて、無くて。



ななもり
ななもり
ごめんなさいッ、ごめんなさいッッ
ななもり
ななもり
俺がッ
ころん
ころん
大丈夫だよ…なーくん。





 俺はいつの間にか、眠りについていた。











ななもり
ななもり
あれ、俺…
 目を覚ますと、布団で寝ていた。


 掛け布団がかけられていて…。






 一階に降りると、みんなダイニングテーブルに
 座っていた。





ジェル
ジェル
なーくん!
ななもり
ななもり
ジェルくん…
莉犬
莉犬
ほらほら!座って?


 手を取られ、先に着く。





 パチッ

 〔照明が消される〕
ななもり
ななもり
え、暗ッ?!
ジェル
ジェル
はっぴばーすでー!
莉犬
莉犬
とゅーゆー!
さとみ
さとみ
happy birthday
るぅと
るぅと
ディア
ころん
ころん
なーくん!
すとぷり
すとぷり
はっぴばーすでー!トューユー。






 え?


 え?どうゆう、こと…?



ジェル
ジェル
なーくん、お誕生日、おめでとう。
ころん
ころん
おめでとう!
さとみ
さとみ
おめでとう!
莉犬
莉犬
おめでとう!
るぅと
るぅと
おめでとうございます!





ジェル
ジェル
ろうそく、消して?





 涙が、止まらないな…。



 あんなに泣いたのに。




 人間って、恐ろしいな…。


 敵わないわ w




ななもり
ななもり
…ゔっ、ポロポロ
ジェル
ジェル
泣かんでや w
さとみ
さとみ
泣くなよ
ななもり
ななもり
ごめんッ、ごめんごめんッッ
ジェル
ジェル
大丈夫やで。
るぅと
るぅと
こんなに苦しんでいることに、気づけなくてごめんなさい。
ななもり
ななもり
るぅとくんが謝ることじゃッ
るぅと
るぅと
いえ、僕が0%悪くないわけ無いです。
るぅと
るぅと
本当に、ごめんなさい。




ななもり
ななもり
みんな、優しすぎるよ…













 ころちゃんが、止めて来た時、振り払うことが
 俺には出来た。





 無理矢理にも、死ぬことができた。



 でも、俺はそうしなかった。





 俺はあの時、生きたかったんだ。





 だから、振り払わなかった。








ななもり
ななもり
ありがとッ!

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