第7話

7話
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2021/09/20 05:12
瑞希
そんな…なんで!?
なんでこんな事…!
お、落ち着け!
これは昨夜、類がオレ達を殺人鬼から守ろうとして仕掛けた罠なんだ
寧々
二人がこうなったのは意図的じゃないんだよね…?
ああ、たまたまだ
夜中は店内の電気も消え、視界が不明瞭だった。だから二人は罠に気付けず、引っかかったのだろう。何時間もかけてやっとこの拠点に帰ってきて、さぞかし疲れきっていたであろう所、この罠で________________
まふゆ
奏、絵名…
瑞希
起きてよ二人とも…!!
何度揺すっても声を掛けても、反応がない。
きっともうずっとこのままだ。
罠は昨日の捜索中に店から取ってきた物で作った簡易的なものだが、効力は十分にあったはずだ。
ちゃんと効果を発揮するように作ったつもりだし、何より二人が全く起きないんだから。
まふゆ
…あなたは、奏と絵名を救う事は出来ないの?
朝比奈君に、そう問われた。
どうだろう。出来ることならそうしたいが、生憎それは不可能に近い。
呼吸も、止まっている。

なんて返せば良いんだろう。
僕は責められて当たり前だ。謝る事しか出来ない。
救えるのならとっくに救っている。
瑞希
誰も…悪くないよ
静かな店内で、瑞希の呟きがやけにはっきりと聞こえた。

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