放課後の教室。
明るいはずの光が、なぜか今日だけは少し薄暗く感じた。
ミオの声は優しいけれど、どこか緊張を含んでいた。
教室の奥。
ゆっくりとノートを閉じる音だけが響く。
黒崎サキは何も言わずに、表情も変えず、ただレイの方を見ていた。
その視線は静かで....どこか、冷たい。
レイは制服のポケットをそっとなぞる。
そこには、朝拾った“謎の紙切れ”がしまってあった。
レイが小さく首を振った。
その言葉の直後だった。
----カタン。
誰も触れてないはずの席が、ひとつだけ小さく揺れた。
教室の空気が一瞬で変わる。
静かで、冷たくて、妙に息苦しい。
レイは後ろの席をゆっくり振り向き、小さくつぶやいた
誰も続けて言葉を発せず、しばらく沈黙だけが落ちていた。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。