第七部隊解体から1週間。
東京アーク本部。
アークは変わらない。
仕事も変わらない。
魔獣も相変わらず現れる。
だが、6人の日常は大きく変わっていた。
まずは莉犬。
配属先は第一部隊。
東京(新宿)を拠点に置くベテランばかりのチーム。
国内でも最精鋭と呼ばれる部隊だった。
実力者ばかり。
規律も厳しい。
会議室。
莉犬も席についていた。
隊員達は優秀だ。
指示も正確。
判断も速い。
何も問題はない。
本来なら。
隊長が言う。
莉犬も頷く。
正しい判断だ。
正しい。本当に。
正しいのだが。
どこか物足りなかった。
以前なら…
とばぁうが飛び出し。
とぷりっつが止め。
とらぴすが笑い。
そんな会話が自然にあった。
今はない。
静かだった。
優秀すぎるほど。
静かだった。
一方ばぁう。
第二部隊に所属。
北海道(札幌)を拠点に置く前線型のチーム。
前線戦闘専門。
隊員達もかなり強い。
元気な返事。
そして5分後。
訓練終了。
隊員達が息を切らしている。
ばぁうは笑う。
周囲との関係は悪くない。
むしろ良い。
だが、休憩時間になると。
少しだけ暇だった。
スマホを見る。
誰からも連絡は来ていない。
当たり前だ。
まだ昼だし。
それでも、何となく見てしまう。
第七部隊のグループを。
思わず呟いた。
次にらいと。
第三部隊に所属。
大阪を拠点に置く、活力のあるチーム。
若手中心である部隊。
活気のある部隊だった。
らいとはすぐに馴染んだ。
話しやすい。
距離感も近い。
隊員達からの人気も高い。
だが、訓練中。
ふと考えてしまう。
ちぐさなら避ける。
ぷりっつなら防ぐ。
ばぁうなら突っ込む。
らぴすなら利用する。
莉犬なら適切な指示を出す。
考えた後。
苦笑した。
自分で思う。
まだ第七部隊が抜けない。
ちぐさ。
第四部隊に所属。
愛知(名古屋)に拠点を置く、作戦型のチーム。
機動力特化で、空中戦や偵察が得意な部隊だった。
正直、相性は良かった。
隊員達が驚く。
ちぐさは笑う。
本当に馴染んでいた。
訓練も順調。
任務も順調。
ただ、食堂で一人になった時。
自然と6人席を探してしまう。
見つけてから気付く。
もう座れない。
その席はない。
誰もいない席を見ながら呟いた。
ぷりっつ。
第五部隊に所属。
宮城(仙台)に拠点を置く守りに特化したチーム。
防衛任務が多い部隊。
論理的な人間も多い。
相性は悪くない。
そう言われることも増えた。
しかし、会議中。
無意識に。
ばぁうの暴走を止める準備をしている自分に気付く。
いない。
当然だ。
なのに、反射でやってしまう。
小さく呟いた。
周囲には意味が分からなかった。
そして、らぴす。
第六部隊に所属。
福岡を拠点に置く、個人専門のチーム。
特殊任務担当。
単独行動も多い。
らぴす自身。
特に問題なくやっていた。
任務もこなす。
訓練もこなす。
人間関係も良好。
ただ、夕方。
任務報告を終えた帰り道。
自販機の前で止まった。
コーヒーを買う。
缶を開ける。
そして、ふと思う。
以前なら。
誰かしらいた。
ばぁうが騒ぐ。
らいとが笑う。
ちぐさがツッコむ。
ぷりっつが呆れる。
莉犬がまとめる。
それが普通だった。
今は違う。
らぴすは少し笑う。
そう言いながら。
少しだけ寂しかった。
そして夜。午後9時。
6人のスマホが同時に鳴る。
発信者はばぁうだ。
笑い声が響く。
久しぶりだった。
6人で話すのは。
ほんの数分。
たったそれだけ。
それなのに。
不思議と落ち着いた。
離れても変わらない。
そんな安心感があった。
しかし、その頃。
政府では。
解体計画の想定外の問題が。
少しずつ表面化し始めていた。
遅れてすみません💦
バグで投稿できてなかったみたいです🙏













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。