あなた side
憂鬱な火曜日の朝
いつものように学校に登校して席に座った
昨日は課題もせずに寝ちゃったから
朝のうちに終わらさなきゃ
そう思っていたのにスマホから来た通知で
その手が止まった
「今日会える?」
勇志先輩からのLINEだった
今日、火曜日だけどな...
そう思って
『今日は私、当番じゃないです』
と送った
「分かってるよ」
「図書室じゃないところで会いたい」
その文面を見た瞬間、私の顔が熱くなったのを感じた
会いたいって
どういう意味?
男の人にこういうことを言われるのは初めて
既読を付けたまましばらく、何も送れないままでいると
「昼休み空いてる?」
と続けてメッセージが来た
『空いてます!』
既読スルーは良くないと思って焦って返事を返したけど
何度考えても会いたいって言葉で頭がいっぱい
先輩はどういう意味で言ってるんだろう
こういう時だけはいつもは退屈な授業も
すぐに終わってしまうように感じる
あっという間に昼休みが来て
私はもうずっと緊張状態
『迎えに行くね』
そんなメッセージが来て
今からここに、先輩が来るの?って困惑
でも、先輩と私が昼休みを一緒に過ごすのがバレたら
なんだか良くない噂が流れてしまいそう
急いでメッセージを送る
「私が行きます!!!」
でも既読はつかないまま
このままじゃ、本当に先輩が来ちゃうよ...
そんな事になったらまずいから
私は走って先輩のフロアへ向かった
途中の曲がり角で誰かにぶつかった
急いでるのに...!
ぶつかった相手は、勇志先輩だった
そんなふうに話す先輩は
自分がどれだけ人気者なのかわかってない
私は苦笑いでそう話すけど
先輩は不思議そうな顔のままだった
私たちは人気の少ない廊下のベンチに座った
座ってから、少し無言の時間が続いて
勇志先輩が話し始めた
一瞬、意味がわからなかった
世界が、しん、と静まる
思わず大きな声が出てしまって、二人でびくっとする
先輩が、ほんの少し驚いた顔をして、
それからやわらかく笑った
二人の間に流れる沈黙
心臓の音がうるさい
何か言わなきゃと思うのに、言葉が出てこない
計算なのか自然となのか
先輩の言葉選びが真っ直ぐすぎて余計に照れてしまう
それから私たちは色々な話をした
意外な返答に脳みそをフル回転しても理解が追いつかない
先輩は笑いながら話すけど、私は何も言えなくなった
今までにないくらいドキドキしている心臓
先輩がそう言った瞬間
昼休みのチャイムが鳴った
先輩は別れ際に、今日はありがとうとだけ言って
帰っていった
残された私の方はまだドキドキしてるのに












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。