第9話

2—8 夜雨対牀 5
136
2025/04/01 13:00 更新
Side. N
ライオン
……ハヤテさん、です
八尋寧々
!……そっかぁ
スヤリス姫
いつから、そういうふうに思ってるの?
ライオン
魔王城に来てからだと思います
ライオン
それまでは、あまりお話する機会もなくて……
八尋寧々
そうなんだ?
ライオン
他の人とお話されているのを見て、
ライオン
私もその中に混ざりたいな、
と思ったこともあります
スヤリス姫
一緒に話したかったの?
ライオン
……多分そうです
ライオン
その様子を見ていると、
ライオン
羨ましい、というか……
ライオン
寂しい、というか……
ライオン
私はほとんどお話したこと無いのにな、と
八尋寧々
え、それって……
スヤリス姫
いわゆる「嫉妬」、なんじゃない?
ライオン
嫉妬…………
ライオン
……でも、理由も何もありません
ライオン
少し、モヤモヤするだけですし
八尋寧々
だけど、
八尋寧々
話したいって気持ちは本物なんでしょ?
ライオン
はい
八尋寧々
近くで見ていたいとも思ってるんだよね
ライオン
はい……
スヤリス姫
それは多分……



ライオン
で、でも、ただ憧れているだけですよ
スヤリス姫
そうかな?
スヤリス姫
ハヤテくんのことを話し始めた時、
スヤリス姫
すっごく優しい目をしたんだよ
八尋寧々
今も、優しい顔だね
スヤリス姫
他の人の話じゃ、そうはならなかったのに
ライオン
そう、でしたか……?
スヤリス姫
それに、オンちゃんは
気付いてないみたいだけど
スヤリス姫
ね、ねねちゃん
八尋寧々
うん
八尋寧々
顔、赤くなってる
ライオン
え⁉⁉





スヤリス姫
どう?オンちゃん
ライオン
…………
ライオン
好き……なのかどうかは分かりませんが
ライオン
……私は、ハヤテさんと一緒にいたいです
八尋寧々
……そうだね
ライオン
でも…………
ライオン
私なんかにこういう風に思われても、
きっといい迷惑になってしまいます
ライオン
優しくなれなかった、私なんかでは。

スヤリス姫
オンちゃん
ライオン
はい……
スヤリス姫
よく聞いて
スヤリス姫
誰がどう思うかは、
スヤリス姫
全部その人自身が決めるんだよ
ライオン
その人、自身……?
スヤリス姫
だから、勝手に決めつけちゃダメ。



スヤリス姫
分かった?




ライオン
……………………
ライオン
…………分かりました!


八尋寧々
ライオンちゃん!
ライオン
何でしょう、寧々さん
八尋寧々
その気持ちは、
ライオンちゃんにとって大切なものだから。
八尋寧々
否定する必要なんか無いんだよ!
ライオン
はい……!
スヤリス姫
ふわぁぁぁ
八尋寧々
スヤちゃんったら、おっきな欠伸!
スヤリス姫
流石に話し疲れちゃって
ライオン
もう3時ですしね
ライオン
無理もありません
八尋寧々
えっ、もうそんな時間⁉
ライオン
ここまで遅い時間に起きているのは
初めてかもしれません……
スヤリス姫
5歳だもんね……
八尋寧々
逆に2人ともよく寝なかったよね
ライオン
まあ……
スヤリス姫
それは……
2人
寝られる状況じゃなかったので
八尋寧々
それもそうか
ライオン
でも、楽しかったですよね
スヤリス姫
まぁね〜
八尋寧々
私も!
スヤリス姫
いろいろ収穫もあったし
ライオン
初めてのことばかりでした
八尋寧々
パジャマパーティーとしては成功だった?
スヤリス姫
そうだね
スヤリス姫
満足感もあるし、
スヤリス姫
スッキリしたし
スヤリス姫
これでぐっすり眠れれば最高かな
ライオン
そうですね、そろそろ休みましょうか
八尋寧々
眠いもんね〜
八尋寧々
じゃあ、電気消すよ
2人
は~い
カチッ





スヤリス姫
スヤァ
八尋寧々
寝るの速いね
ライオン
そうですね

八尋寧々
そういえば、男子の方はどうなってるんだろう
ライオン
すっかり忘れてました
八尋寧々
ふふっ
八尋寧々
おやすみ、ライオンちゃん
ライオン
おやすみなさい、寧々さん




勿忘草
勿忘草
夜雨対牀とは……
兄弟や友人との仲がとても良いこと。
夜に雨の音を聞きながら寝床を並べて仲良く眠ることから。




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