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第5話

4章:初めての反抗期
15
2026/02/10 12:52 更新
琉翔が三歳になった頃から、家の空気が少しずつ変わった。
理由は単純で、でも厄介だった。
何を言っても——
「いや」
それだけ。
抱っこもいや。
着替えもいや。
移動もいや。
他の兄が声をかけるたび、琉翔は首を横に振って、その場に座り込む。
泣き叫ぶわけでもない。
ただ、動かない。
それが一番、困った。
速星兄弟
ほら、行くよ、危ないって(沖以外の兄)
言葉は届かない。むしろ、増えるほど琉翔の体は固くなる。沖は少し離れたところで、その様子を見ていた。どう声をかけたらいいのか、正直分からなかった。その時だった。
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
……沖なら、聞くんじゃない?
音の声は小さかった。
でも、迷いはなかった。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
え?
沖は思わず自分を指さす。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
俺?
音は頷くだけだった。
琉翔を見て、
それから沖を見る。
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
一回、呼んでみて
沖は少し迷ってから、琉翔の名前を呼んだ。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
……るか
それだけ。
強くもなく、命令でもなく。
琉翔が、顔を上げた。
次の瞬間、
まだおぼつかない足で、てくてくと歩き出す。
転びそうになりながらも、まっすぐ沖の方へ。
そして——
沖の膝の前で止まり、そのまま、よじ登るように座った。
当然みたいに。
沖は固まった。
腕の中に、小さな体温。
周囲が、しんと静まる。
少し離れた場所で見ていた朔は、何も言わなかった。
ただ、視線だけを向けて、状況を受け止める。
速星朔、(長男、18)
速星朔、(長男、18)
(——ああ、そうなるのか。)
長男として、誰がどこを担うかを、もう理解していた。音は小さく息を吐いた。
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
……やっぱり
その声には、安堵が混じっていた。同時に、どこか覚悟も。沖は琉翔を見下ろして、困ったように笑う。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
……なんでだよ
琉翔は答えない。
ただ、沖の服を掴んだまま、安心した顔をしている。
その時はまだ、分からなかった。
これが始まりだなんて。
ただ、
この日を境に、琉翔は——
沖のところに来るようになった。
——こうして、琉翔の初めての反抗期は始まった。同時に、この日を境に、家の中の認識も静かに変わった。琉翔がぐずると、誰かが自然と沖を見る。
速星兄弟
沖、お願い、沖なら……
特別な宣言があったわけじゃない。
話し合いをしたわけでもない。
ただ、
琉翔が沖のところへ行く。
沖が受け止める。
それを、
音も、朔も、他の兄たちも、
止めなかった。
沖自身も、まだ自覚はなかった。
腕の中で、琉翔が落ち着いた頃、
沖は小さく声をかけた。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
……大丈夫か?
その時だった。
琉翔が、沖の服を掴んだまま、
顔を上げる。
小さな口が、少しだけ動いて——
かすれた声で、はっきりと。
速星琉翔(末っ子、4歳)
速星琉翔(末っ子、4歳)
……にぃに
一瞬、時間が止まった。
沖は、息の仕方を忘れたみたいに固まる。
周りも、誰も動かない。
音が、はっとしたように目を見開き、
朔は、ゆっくりと視線を逸らした。
——聞き間違いじゃない。
琉翔は、
初めて、言葉で呼んだ。
沖は、ぎこちなく琉翔を抱き直す。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
……今、なんて?
琉翔は答えない。でも、もう一度、同じ場所に顔を埋めて、安心したみたいに動かなくなった。その答えで、十分だった。この日から、琉翔の「担当」は沖になった。逃げられない役目。でも、押しつけられた感覚は、不思議となかった。——それは、琉翔の反抗期が始まった日であり、沖が“担当”になった日であり、そして、「にぃに」と、初めて呼ばれた日だった。
数日後の朝。別の兄が、琉翔の横にしゃがみ込む。園児服を手に取りながら、優しく声をかける。
速星累、(六男、13)
速星累、(六男、13)
琉翔、着替えよっか
琉翔は床に座ったまま、顔をそむける。
小さな手で服を押し返して、首を振る。
速星琉翔(末っ子、4歳)
速星琉翔(末っ子、4歳)
……や
速星朔、(長男、18)
速星朔、(長男、18)
今日は保育園だよ
声をかけても、動かない。まだ眠そうな目の奥に、意思の強さがちらりと見える。別の兄は少し困った顔でため息をつく。
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
じゃあ、沖、起こす?
その言葉に、琉翔の目がぴくっと動いた。そして、おぼつかない足でてくてく、と歩き始める。布団の上でまだ寝ている沖の元へ。膝を軽くトントンと叩いて、小さな声で呼ぶ。
速星琉翔(末っ子、4歳)
速星琉翔(末っ子、4歳)
……にぃに
沖は、眠そうに目を擦りながら顔を上げる。
琉翔の意思は明確だった。
自分で起こさせようとしている——。
速星琉翔(末っ子、4歳)
速星琉翔(末っ子、4歳)
……つぇ、つぇ……?
沖は一瞬、言葉がよく聞き取れず、首をかしげる。琉翔は手を沖に伸ばしながら、目を真剣に見つめる。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
ああ、着替えたいんだね
沖が微笑んで頷くと、琉翔は膝の上にちょこんと座ったまま体を傾ける。まだ上手に「着替え」とは言えないけれど、意思は確か。袖を通すのも、ズボンを履くのも、途中で止まっても、沖が「にぃに」と声をかければ、また動く。泣いたり嫌がったりはしない。すべてが、沖の存在で支えられていた。着替えが終わると、琉翔は膝の上で小さく安心したように頷く。
速星琉翔(末っ子、4歳)
速星琉翔(末っ子、4歳)
……にぃに
沖が笑いながら答える。
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
いるよ
その日から、琉翔は沖を起こす係になった。まだ言葉は拙いけれど、意思と行動ははっきりしていた。家の中の誰もが、これを新しい日常の一部として静かに受け入れる。
‪✂︎‬------------------キリトリ線-----------------‪✂︎
次回、第5章︰小さな相棒
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
懐かしいねぇw
速星琉翔(末っ子、4歳)
速星琉翔(末っ子、4歳)
にぃに、言えるようになった頃?
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
ほんとびっくりした、なんで音わかったの?
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
ほかの沖以外声掛けてるのに反応しないけど...琉翔の目線がずっと沖だったから...気づいた、沖に。読んで欲しいんかなと
速星朔、(長男、18)
速星朔、(長男、18)
よく気づいたなw
速星莉玖(四男、15歳)
速星莉玖(四男、15歳)
連の時に、おかしいって気づいたのは、確か沖にぃだったよね?
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
あれ?そうだっけ?
速星莉玖(四男、15歳)
速星莉玖(四男、15歳)
あれ違った?
速星朔、(長男、18)
速星朔、(長男、18)
あってるよ。多分沖は、意図してないから
速星累、(六男、13)
速星累、(六男、13)
そりゃ気づくだろ...連、3歳になっても歩かんかったんやから
速星連、(七男、11)
速星連、(七男、11)
そうだったの?
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
うん、めっちゃ、
俺、助かった、あの時
速星連、(七男、11)
速星連、(七男、11)
気づいたのにぃにかと思ってた
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
w
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
琉翔産まれる前は、ね、沖の、担当なかったからね、ふたりで連の世話してたんだ
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
懐かしいw
速星琉翔(末っ子、4歳)
速星琉翔(末っ子、4歳)
ママにあったことあるの?
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
あるよ、多分琉翔以外全員
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
父さんに関しては...多分、あったことあるのは朔にぃと沖にぃかな
速星朔、(長男、18)
速星朔、(長男、18)
そういえばそうかも...
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
俺、全然覚えてな〜い
速星朔、(長男、18)
速星朔、(長男、18)
沖も直接、会ったことあるのは、中学生のときだよ、音も、小学生の頃あってるよ、
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
てことは沖にぃが中一で、朔にぃが。中2?
速星朔、(長男、18)
速星朔、(長男、18)
そう
速星音、(三男、16歳)
速星音、(三男、16歳)
連の誕生日には帰ってきてくれると嬉しいけど
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
それな
オッキー大好き作者
オッキー大好き作者
じゃあおわりまーすの前に
速星沖、(次男、17歳)
速星沖、(次男、17歳)
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