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第3話

第三話 「虫」
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2024/04/24 14:20 更新
バイオリンの音を辿って行って、着いた場所は暗い路地裏。見た感じ、誰も…。
???
いや、いるな。
奥に積んである木箱の一番上に誰かがいる。
???
おい、こんな深夜にバイオリン弾くなんて気味の悪いヤツだな。
とりあえず、大声でソイツに話しかけてみた。

アタシの声に気付いたのかバイオリンを弾くのをやめて木箱から降り、こちらに近づいてくる。

その時、アタシは呆然とした。

なぜなら、ソイツは…"虫の姿"をしていたからだ。
虫と言ったが普通の虫とは明らかに違った。

二足歩行で歩いているし、黒と緑を基調にした燕尾服を着ているし、なんならその燕尾服に合わせたシルクハットも被っている。
???
やあやあ、初めまして。人間と話すなんて久しぶり…
???
ぎゃあぁぁぁぁ!?!?
???
むしぃぃぃぃぃ!?!?
その虫がこちらにニコニコ笑いながら、やって来たので反射的にプロレス技の一つ"チョークスリーパー"をその虫に喰らわせた。
???
ちょ、苦しい、苦しいって!!ギブギブ、ギブアップ!!
虫はバシバシ、とアタシの腕を叩きながら叫ぶ。
???
うるっせぇ!
???
いきなり、虫が喋ったんだ!!
???
普通に考えて、誰だってこうするだろ!?
アタシは、虫の喉元を締めながら声を荒げる。
???
多分、こんなことをするのは君だけだと思うけどね!!
虫の悲痛な叫び声が、真っ暗な空に響き渡った。
あれから、数分後。

疲れたんで、とりあえず虫をそこらへんにあった縄で縛ってこう尋ねてみた。
???
此処は何処だぁ!?
???
キサマは誰だぁ!?
???
アタシコイツは誰だぁ!?
虫はゼェゼェ、とキツそうな息遣いをしながら答えた。
???
此処は何処って…此処は、"ハーネマー王国"。
???
国王である"ハーネマー王"が治めている国だけど…。
ハーネマー?

そんな国って、あったっけか?

確かに、ヨーロッパとかにはありそうだが…

アタシが考えている時、あの喋る虫の視線を感じた。
???
おい、"キモ虫"。なんか、気になんことでもあんのか?
アタシは、虫を思いっ切り睨みながら言い放った。
???
嫌、君の顔どっかで見たことあるようなぁ…?あ、後"キモ虫"は余計だよ。
ムシタロー
僕の名前は、"ムシタロー"だし。
虫…ムシタローはう~ん、と唸っている。

しかし、すぐに何かを思い出した様に触角がピンッと立った。
ムシタロー
あぁ、思い出したよ!!
ムシタロー
キミは希少な光魔法が使え、次期国王"レオナルド・ハーネマー王子"と恋仲になった町娘
ムシタロー
"リリアンヌ・シルフィンフォード"嬢だね!
リリアンヌ・シルフィンフォード
リリアンヌ…?
リリアンヌ・シルフィンフォード
それがアタシコイツの名前か?
とんだキラキラネームに若干引きながら、ムシタローに二度聞きする。
ムシタロー
アタシの名前って…君の名前でしょ?
ムシタロー
ていうか、君こんなとこにいていいの?
ムシタロー
今日って確か、お城でパーティーがあった気がするけど…。
パーティー!?このロリータ女、パーティー行けんの!?
リリアンヌ・シルフィンフォード
いや、待て。じゃあ、何であんなボロっちい小屋に…?
ムシタロー
…あー、なるほどね…。
ムシタローは下を向いて、ボソリと何かを呟いた。

しかし、その動作をなかった様にこちらを向いてニコリと笑った。
ムシタロー
此処で話すのもなんだ、場所を変えて話そうじゃないか。

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