俺は男の声がした方に背を向けて気だるそうな返事をした。
寝起きに聞くのが野郎の声なんて最悪。
ってか俺なんで知らん男の声聞いて…?
あー、そうだ。連れ去られたんだ。梵天に。
つーか俺オールしようとしてたよな。結局寝たのかよ。ダサ。
呆れたように男が言ったので少し腹が立ったが仕方がない。
もうすぐで死ぬ予定だから時間は有意義にな。
目を擦り目の前の男を見つめる。
結構美形でビビった。まぁ、目は若干隠れてるけど。
そいつは少し考えたような素振りをした後またこちらを見つめた。
それにしては俺なんか忘れてるような気がするなぁ…
そんな考え事をして俺は男の顔をジロジロと見つめる。男は少し戸惑っていた。
………………そうだ。ハニトラ。
寝起きなので油断してさっきは素を見せてしまったが
意識がハッキリとした今、意識して可愛い子を演じられる。
……でももう手遅れか。
しかもこいつ首にキスマが着いてる。口紅着いてるし。
手早そうだし、俺が媚び売ったらすぐ手だしてきそー。やめとこ。
思わず笑っちまった。
世間一般的な普通の苗字なのに……何故かツボってしまった。
疲れているのだろうか。
俺より若そうなのに落ち着いた雰囲気で大人っぽいな。
俺もあーゆー言葉使ってみよっかな。
いや、柄に合わねぇからやっぱいいや。
ぜってぇあのツリ目野郎だろ。
あいつ性格悪そうだし、携帯没収したのにここまで根張ってるのはあいつだけだ。
と床に置かれた飯はなんとも言えない。
必要以上に出費を抑えた…みたいな。
量も少なくないし多くもない。いや少ない方か。
やっぱあのつり目で間違いねぇな。
思わず乾いた笑みが出る。
すると山田は不思議そうな顔でこちらを見つめてきた。
俺は目に付いたパンに手をつけ齧りとった。
俺は早く完食しようと手を速める。
わざわざ食事を用意するんだ。変なもんは入ってないだろう。
アンケあざした。
梵天のほのぼの?日常。に決定です。
男主、女主とか全く居ないんでお願いしまーす。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!