ぽろぽろと、心の底から零れ落ちるようにーー
私が何か言おうとしても、
壱馬は止まらなかった
自分でも止められなかった
ようやく沈黙が落ち着いたとき、
そっと、壱馬の頬に手を添えた
壱馬は、涙で滲んだままの視線で、私を見た
まるで....
「まだ言わんでええ」と言いたそうな表情のまま──
それでも、無言で小さくうなずいた
私はゆっくり言葉を紡ぐ
壱馬の目が、少しだけ見開かれる
私は小さく笑いながら返した
壱馬は、ぽかんとしたまま固まっていた
壱馬は、こくんと喉を鳴らして、
ぎゅっと力強く抱きしめてくれた
そう言って微笑むと
壱馬は顔をくしゃっと歪めて、
笑いながら涙をこぼした
壱馬の両腕の中で、私はそっと目を閉じた
不安も、嫉妬も、全部が溶けていくような
温もりに包まれて──














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。